

SIMフリースマートフォンを中心に販売する「ファーウェイ・ジャパン」は11月26日、都内で会見を開き、5.5インチのスマートフォン「HUAWEI Mate S」を12月4日に発売すると発表した。価格は7万9800円(税抜き)。同社直販サイトをはじめ、全国の大手家電量販店で販売される。
この製品は7.2mmという薄さが特徴で、背面に指紋認証センサーを搭載している。大幅に性能を強化し、認証速度が向上したほか、スリープからそのまま指紋認証ができる。新たに「ナックルセンス・テクノロジー」という機構を搭載。爪先や指の関節を使ってディスプレーに記号を描くと、設定したアプリを立ち上げることができる。例えば、爪先で画面に「M」という文字を描けば、音楽再生アプリが起動する。また、急速充電機能にも対応し、10分の充電時間で約2時間の通話ができる。本体の容量は32GB。OSはAndroid5.1を搭載している。
ファーウェイは中国の深センに本社があり、これまで「格安スマホ」と呼ばれる3万円前後の価格が安い製品を中心に展開してきた。しかし、「Mate S」の値段は7万9800円(税抜き)と、これまでの製品に比べて倍以上だ。なぜ、“強気”ともいえる価格にしたのか。
同社マーケティング統括部ブランディングマネージャーの村上勝清氏は本サイトの取材に対して、こう語る。
「『格安スマホ』などの薄利多売の製品を中心にこのまま展開するだけでは、ファーウェイというブランドが埋もれてしまうという懸念があった。それを脱却するため、独自の技術を駆使して完成したのが『Mate S』です。わが社の名刺代わりとなる製品として、価格を高く打ち出しました」
安価で性能が高いスマートフォンの開発には定評があり、2015年11月に発売されたばかりのグーグルのスマートフォン「Nexus 6P」はファーウェイが製造を担っている。こうした背景もあり、一気呵成に自社ブランドも高める狙いがあるようだ。
とはいえ、「Mate S」は「Nexus 6P」よりも値段が高い。ネット上では早くも「性能の割に価格が高すぎるのではないか」という声が出ている。”高価格路線”が吉と出るか凶と出るか、目が離せない。
(ライター・河嶌太郎)