Aぇ! group草間リチャード敬太[表紙]/週刊朝日2023年4月28日号(写真・木村哲夫)

笑かしてんのか笑われてんのか

──今、デビューという目標はどう捉えている?

 デビューしてるしてへんで、世界の広がり方がちがうのかなって。デビューしてへんと自分たちの音楽ってラジオでは流せへんから、ライブとかYouTubeとかで届けるしかないじゃないですか。Jr.っていう縛りがなくなって、Aぇ! groupとして出られたら、より多くの人に見てもらえるし、幅は広がるんやろなと思うから、やっぱデビューはしたい。

──メンバー同士でデビューに向けた話はする?

 2023年に入ってから、ちょこちょこ出るようになってきましたね。ガチネバ[THE GREATEST SHOW-NEN 舞台『ガチでネバーエンディングなストーリぃ!』]の楽屋で、3月からのライブツアーのセットリストの打ち合わせしてるときとか。やっぱその先を見据えたものを作ろうよっていうので、ここでデビューがあったとして、みたいな話は出ましたね。

 そろそろ自分たちからもちゃんと意識して(デビューしたい気持ちを)出していかなって思ってます。今、こんだけいろんなところで「Aぇ!風吹いてんちゃいますか」って言ってもらえるなかで、「そうなんすよねー」じゃなくて、「そこを目指して頑張ってますよ」って出していくほうが、より手繰り寄せられるんじゃないの?っていう。

 でも、デビューは絶対したいけど、ゴールやとは思ってないです。そこを通らな行けへん未来があるっていうだけ。デビューのその先を目指したいんですよね。

──グループとしての課題はある?

 Aぇ! groupってたぶんバラエティー(の姿)のほうが知名度あるんですよ。でも、何かに特化するより、バンドもできてダンスもできてバラエティーもできて、いろんなことができてこそ今のアイドルなんじゃないの?って思うから、もっと見てもらえるようにはなりたいなと。

 たとえばフェスに出て、俺らのことをよく知らん人たちの前で音楽をして、「あっ、こいつらこんなこともできんねや」って思ってもらえたらいいよね、とか。今は見せられてる部分がバラエティーに傾いてるけど、それこそデビューできれば音楽番組で歌える機会も増えるし、バランスがとりやすくなるのかな。

──今までで、一番しんどかった時期は?

 20歳前後で、自分のキャラがわからへんくなった時期ですね。ずっとイジられキャラで、漫才をするにしても、飛び道具じゃないけど大オチを任されることが多かったんです。でも、自分が笑かしてんのか笑われてんのかが急にわからんくなってきて。なんか悪い意味で笑われてる、嘲笑われてるんじゃないかって思いはじめて、えっ無理、楽しくないってなっちゃって。

 で、もう成人したし普通に働くかって思って、マネージャーさんに電話して、社長に電話して、「もう辞めます」って言うところまでいきました。そしたら「自分で決めなさい」って言われて、2、3カ月ぐらい保留期間だったんですけど、その間にいろいろ考えて。

 結局、うーんもう一回やってみるかって戻りました。人の思ってることなんかこっちはわからへんから、もうその場が楽しければよくない?ってポジティブに考えることにしたんです。

──当時、ご自身の唯一無二の魅力や個性をコンプレックスに感じていたのでしょうか?

 それは高2とか高3のころからでしたね。単位制の高校だったから、自由に動ける時間がめっちゃあって、一人で47都道府県回ったりしてたんですけど、そうやって一人で考えられる時間があるとね、悪い方向に考えちゃうんですよ。アイドルを好きになる人って、いろんな面を見てファンになる人もいっぱいいるけど、やっぱり顔を見る人も多いのかな、とか。

 コンサート出たら、みんなはキャーッて言われるけど、僕は(お笑いの)オチになるんですね。だから、なんでここにいるんやろう?ってなった時期もあったし、目立てば目立つほど周りとの差を感じるっていうか。髪形から何から、ほんまに全部周りとちゃうんすよね。あれ? これは何? 俺ここにいるの正解なんかな?って。

 やけど、最終的には大学生になって、もう考えだしたらキリないから考えへんっていうところに行き着きました。それに、逆にここにいるからこそより目立てるんじゃないの? それが唯一無二なんじゃないの?って気づけて、よかったですね。

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