<ライブレポート>Vaundy/アジカン/オーラル/ファンタ/PEOPLE 1がリスナーと紡いだ“スペシャルセトリ”【REQUESTAGE 2024】

 FM802春の恒例イベント【FM802 35th ANNIVERSARY“Be FUNKY!!”SPECIAL LIVE紀陽銀行 presents REQUESTAGE 2024】が、4月29日大阪城ホールにて開催され、PEOPLE 1、FANTASTICS、THE ORAL CIGARETTES、ASIAN KUNG-FU GENERATION、Vaundyの5組が登場した。

 このイベントは、FM802が“番組にリクエストされるアーティストのステージを、リスナーに生で観てもらいたい”という思いで2002年から毎年春に開催。公演名の【REQUESTAGE】(通称:リクステ)は“リクエスト”と“ステージ”を掛け合わせた造語で、今年も、同局が事前に募集したリクエストをもとに、各アーティストが百花繚乱のステージを魅せてくれた。

 【リクステ】のスタートは、大阪城ホールで初のライブを行うPEOPLE 1。Ito(Vo./Gt)の掛け声で客席がスマホのライトを照らすと「常夜燈」を披露し、会場には、早速最高の景色が広がった。Deu(Vo./Gt./ Ba./Other)が「歌ったり、踊ったりして楽しんでいってくれ!」と、会場に呼びかけながら「ハートブレイク・ダンスミュージック」「GOLD」を披露すると一気に場内の温度は加熱。彼らが初体感する360°ステージの感覚を楽しむ姿も印象的であった。そして令和の若者の背中を押す「銃の部品」では、エッジの効いた歌詞とサウンドでファンの心を揺さぶると、TVアニメ『チェンソーマン』のEDテーマで話題となった「DOGLAND」では予測不可能な曲展開に客席はスリルを味わう。終盤は、どこか懐かしくエモーショナルなロックチューン「高円寺にて」で、Itoがギターを掻き鳴らし、 “初めてリスナーに向けて作った”という「鈴々」で、【リクステ】に相応しいスタートを華々しく飾った。

 次に登場したのは、今回の出演者で唯一のダンス&ボーカルユニット、FANTASTICS。大きな歓声と共に登場すると「PANORAMA JET」で、会場をファンタカラーに染めていく。そして「Choo Choo TRAIN」のイントロでは伝統の“あのダンス”を披露し、会場を沸かせた。沢山のリクエストから厳選し、一夜限りのセットリストを作ったという中島颯太(Vo.)。「It’s all good」「アプデライフ」では、リスナーに寄り添うように、八木(Vo.)、中島が優しく歌いかけ、空気を一変させた。さらに「7 Universe」では、パフォーマー6人それぞれの個性が炸裂。「VICTORY」では、総合MCの大抜卓人、落合健太郎も登場して、一緒にタオルを振り回すシーンも見られた。現在FM802でDJを務める中島の番組スタートと同時に生まれた「Easy come, easy go」ではリスナーとクラップで一つに。メンバーも会場の温かさを噛み締め、ラストスパート「Peppermint Yum」「ギリギリRide it out」をノンストップで披露し、FANTASTICSにしか出来ないエンターテイメントを見せつけた。 

 「ロックバンドのフロアを作ってくれ!」の掛け声でスタートしたのは、THE ORAL CIGARETTES。1曲目の「気づけよBaby」から、4人の絡みあうサウンドが波動となって会場を取り巻いていく。続く「BLACK MEMORY」では、それが大きな渦となり、山中拓也(Vo./Gt.)が「遠慮するな! 飛べ!!」とシャウト。「狂乱 Hey Kids!!」では客席が乱舞し、高揚感で溢れた。今回は、リクエストTOP10から胸に響いたメッセージをくれたリスナーの選曲をピックアップ。その中でも、オーラルが東日本大震災の時に制作した「ReI」に心動かされたというメッセージが紹介され、「今後何か困難な事にぶち当たった時に、この曲を想い出して欲しい」と同曲が披露された。最後は、山中の事故によって、昨年末の【レディクレ】の出演がキャンセルとなった時のことを振り返るメンバーたち。山中は「その時のファンの熱い想いを受け取りました。だから、その気持ちをこの曲に込めて終わらせてください。」と、リスナーへ「LOVE」を届けた。

 続いて、【リクステ】最多出演となるASIAN KUNG-FU GENERATIONが登場。「出町柳パラレルユニバース」では、後藤正文(Vo./Gt)の奏でるギターと歌声が、突如会場に響き渡ると、そこに喜多建介(G./Vo.)、山田貴洋(B./Vo.)、伊地知潔(Dr.)、のアンサンブルが疾走感と共に重なり奥深さを増していく。2003年にFM802のヘビロテに選曲された「君という花」、そして彼らの代表格でライブには欠かせない「リライト」「ソラニン」を続けると、客席のクラップがバンドを更に後押ししていく。そして後藤は「俺たちなりに、みんなからのリクエスト愛にお返しして、幸せな時間にしたい。」と、「転がる岩、君に朝が降る」「遙か彼方」と、長年リスナーに愛されるナンバーを披露。後藤がこのステージで「自分らしく楽しんで」と何度も伝える姿が印象的だった。キャリアを重ねた彼らのライブには、バンドを着飾る特別な装飾はもはや不要で、命を吹き込んだ曲があって、そこに“自分らしく”聴いてくれるリスナーがいる。それが“アジカンスタイル”なのだと感じた。
 
 イベントの最後を飾ったのは、時代を音楽で牽引するVaundy。ステージに立つやいなや、そのシルエットに大きな歓声が沸きおこった。1曲目「恋風邪にのせて」では、壮大でソウルフルな歌声によって包み込んだかと思えば、「不可幸力」では、妖艶なグルーブに身を委ねていく。疾走感のあるギターのストロークと橙色の一筋の光から始まった「灯火」(FM802、2020年ヘビロ楽曲)は、曲が解き放たれる瞬間、筆者も思わず息を呑んだ。Vaundyは、大型ビジョンや照明に自身をフォーカスすることはないが、存在感は堂々たるもの。「よく来たな。心してついて来てください。」と、新曲「タイムパラドックス」を披露すると、変幻自在なVaundyの世界はあっという間に終盤へと向かう。「みんな全力で踊ろうぜ!」と高揚した気持ちを更に昂らせると「CHAINSAW BLOOD」「逆光」と会場全体が最高潮にスパークしていった。最後はライブアンセムともなった「怪獣の花唄」を客席と大合唱し【REQUESTAGE 2024】は幕を閉じた。

 なお、今回の模様は、5月12日FM802にて『FM802 SPECIAL LIVE紀陽銀行 presents REQUESTAGE 2024 LIVE SPECIAL』をオンエア。20時より2時間の生放送で放送される。

TEXT:森島良子
写真提供:FM802
PHOTO:渡邉一生、キョートタナカ、日吉"JP"純平

◎公演情報
【FM802 35th ANNIVERSARY “Be FUNKY!!”SPECIAL LIVE 紀陽銀行 presents REQUESTAGE 2024】
2024年4月29日(月・祝日)大阪・大阪城ホール
出演者:ASIAN KUNG-FU GENERATION/
THE ORAL CIGARETTES/Vaundy/PEOPLE 1/FANTASTICS

◎番組情報
FM802『FM802 SPECIAL LIVE紀陽銀行 presents REQUESTAGE 2024 LIVE SPECIAL』
2024年5月12日(日)20:00~22:00 生放送
DJ:大抜卓人、落合健太郎