権威ある漫画賞・米国アイズナー賞を4度受賞するなど、日本のみならず世界中から支持されているホラー漫画の巨匠・伊藤潤二さんの漫画原稿(原画)や描き下ろし作品が鑑賞できる「伊藤潤二展 誘惑 JUNJI ITO EXHIBITION:ENCHATMENT」が、東京都の世田谷文学館で開催中だ(9月1日まで)。
【写真】伊藤潤二の恐怖世界がリアル展開。原画やイラスト600点を見逃すな!
怖くて怖くて仕方なくなる
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第1話 うずまきマニア(その一)漫画原稿 1998週刊ビックコミックスピリッツ第7号 小学館(撮影 写真映像部・松永卓也)
伊藤作品の唯一無二の特徴といえば、誰もが一度は遭遇する「なさそうで、実はよくある」シチュエーションに、怪しい「美女」や「美男子」が現れて、あっという間に恐ろしい異世界へ引きずり込まれてしまう世界観にある。600点にものぼる作品の展示は「美醜」「日常に潜む恐怖」「怪画」「伊藤潤二」の4章に分けて構成されている。
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「富江」コラボレーション・スタチュー 本展覧会のために藤本圭紀氏が製作し伊藤潤二さんが彩色した新作フィギュア(撮影 写真映像部・松永卓也)
「第1章 美醜」では、連載誌の表紙や単行本のカバーのために描かれた色鮮やかなカラー作品が並ぶ。代表作『富江』をはじめ、作品に登場する美女たちの美しさに感嘆していると、「第2章 日常に潜む世界」では、肝を冷やすことになる。ネタバレになるので、詳細は直接足を運んで確かめていただければと思うが……特に「木造の怪」の原画が凄い。これを見たら「当分、温泉旅館には泊まれない」ことを断言する。和風建築にある「あるもの」が怖くて怖くて仕方なくなるはずだ。