「M-1グランプリ2016」第12代目王者のお笑いコンビ・銀シャリ。鰻和弘と橋本直による“しゃべくり漫才”が信条、ツアーではすべて新ネタしゃべくり漫才で挑むが、ツアーの配信は行われない。なぜか。
【写真】日本のお笑いが海外でも人気爆発する時代 M-1王者・銀シャリがあえて配信せず日本語にこだわる理由
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「僕らのツアーは毎年配信やってないんです。権利関係もそうですが、エッジの効きすぎた発言とか、配信があることでしゃべれなくなることが気になってしまって」(橋本)
「かと言って僕らYouTubeもやっていますし、配信自体を否定するわけではないです。時代の流れ的には絶対したほうがいいということはわかります」(鰻)
「そう、僕も人の配信めちゃくちゃ見ますし、僕が銀シャリファンやったら配信してくれよって思いますもん。だけど、『配信あるからこれは言うたらアカンのかな』とか、ネタの途中で脳が止まるのが嫌というのがあるんです」(橋本)
お笑いに限った話ではないが、動画サイトや配信サイト、テレビ配信サービス、BS/CSのさらなる多チャンネル化など、近年の視聴環境のさらなる多様化によって、かつての「関西で人気」「東京ではすごい」といったローカライズされた人気の芸人や番組の垣根が消滅、さらに言えば国境すら超えて取り払われていく時代に突入しつつある。
「そういう意味ではどこから火がつくか分かりませんよね。面白い時代です」(橋本)
とにかく明るい安村やCOWCOW、ゆりやんレトリィバァのように、「Gin-Syari!」と呼ばれたりして、ネット経由で海外人気が爆発する日だって来るかもしれない。
「アフリカあたりで僕らがめちゃめちゃ人気になる可能性もありますよね(笑)」(鰻)
「でも僕らはしゃべくり漫才なんでね、それはやっぱり日本語の面白さがわからないと伝わらないでしょうね」(橋本)