引きこもっていた長男が、ハロウィンのときに作ったお菓子。指(!)ですね。意外とおいしかったです

 お子さんが何らかの体の不調を訴えて、たびたび学校を休むようになったときには、まず「うちの子はしっかりと自分の気持ちを言えているだろうか?」と振り返ってみてください。「なんかあった?」とオープンクエスチョンで聞いてもなかなかすぐには答えられない場合が多いので、まずはクローズドクエスチョンで「昨日の給食は全部食べた?」や、「昨日は寝れた?」「おなか空いてない?」などの質問で会話を始め、様子を見てから、その後の言葉をつないでいくと、少しずつ話してくれるようになります。

 そして、お子さんの気持ちを引き出す質問に答えてくれた、お子さん自身が言語化できた、というときには「話してくれてありがとう」「言うのは勇気がいったよね、その勇気すごいよ」とねぎらってあげることで、お子さんは自分の気持ちを少しずつ表現して伝えられるようになります。

 その際に、「自分で抱えるとどんどんたまってしんどくなるから、いつでも聞くよ」「お母さんに話すのが嫌だなと思ったら紙に書き出しても頭がスッキリするからやってみるといいよ」などと、ため込まない方法を伝えてあげるのも手です。

 親だから子どもの苦悩を全部解決してあげる必要はないですし、いずれは自分で解決方法を見つけないと自立できませんから、不登校はある意味、成長のチャンスでもあるのです。そう捉えることで不登校のお子さんを持つお母さんやお父さんも、少し肩の荷を下ろせると思います。

 言語化や表現力は急には身につきません。不調でお休みしているときは、ゆったりと親子の会話の時間をつくってみてくださいね。

 次回は5月21日配信。「そのとき、子どもの頭の中で起こっていること」をテーマにお話しします。

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村上 好

村上 好

むらかみ・よし/オカンの駆け込み寺代表、JAMネットワーク代表、「ことばキャンプ」認定講師、「まなびのば」代表、ひきこもり不登校支援人材協会認定相談指導員、聖学院中学校高等学校教育相談支援員、中医学養生士、食養生コーディネーター。大手私鉄会社で旅行業、ホテルの営業などを経験後、国際会議運営会社でAPECなど国際会議運営に携わり世界中の人々とかかわるうちに日本の教育のあり方に疑問を持つようになり、自身の子どもが通う学校でPTA改革に着手。2015年に教育団体「まなびのば」を立ち上げる。その後、長男が不登校になった際に出合った「ことばキャンプ」に感銘を受け、このプログラムを提供するNPO法人JAMネットワークの講師を経て2024年代表に就任。2019年からは、中高一貫校で教育相談支援員として不登校のサポートに従事。また不登校を「ことば」「食事」「住環境」の観点からサポートするオカンの駆け込み寺を開設し、不登校解決の支援や講演活動をしている。

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