<コーチェラ2024現地レポ>YOASOBI、“私たちの音楽”を世界に“届けた”記念すべきライブ

 現地時間2024年4月12日~14日にかけて、米カリフォルニア州インディオにて野外音楽フェスティバル【コーチェラ・バレー・ミュージック&アート・フェスティバル2024】のウィークエンド1が、ヘッドライナーにラナ・デル・レイ、タイラー・ザ・クリエイター、ドージャ・キャットを迎えて開催された。ここでは、初日の<Mojave Stage>に登場したYOASOBIのBillboard JAPAN特派員による現地レポートをお届けする。

 昨年8月に米音楽レーベル88rising主催の【Head In The Clouds Los Angeles】に出演するなど、日本国外での活躍も著しいYOASOBI。そんな2人の【コーチェラ】初出演を少しでも近くで観ようと1つ前のアーティストから前方で待機する熱心なファンがいるほど、米国での認知度も上がっていることが伺える。現地のファン、日本から参加もしくはアメリカ在住日本人を含むアジア系、ラテン系、様々な人種のファンが最前列を確保し、ステージ転換中には英語以外での会話が繰り広げられていた。ただ、共通して言えるのは全員若く、そしてこれから繰り広げられるパフォーマンスへの興奮と期待が高まっている点だ。

 今回は、フェスティバルという特性とステージ上のスペースが限られているため、普段のYOASOBIのコンサートのプロダクションと比較するとサイズダウンされたシンプルなセットが用意された。その代わり、オーディエンスとアーティストの距離が近い、ファンには嬉しい環境だ。

 出演予定時刻の午後8:20に暗転すると、ステージから放たれるレーザーと共にスクリーンに映像が映し出され、続いてバンド・メンバーがオン・ステージ。中央にある高さ2メートルほどのビジョンの上にAyaseとikuraが揃って登場すると、ikuraが英語で「We are YOASOBI」と挨拶し、「夜に駆ける」からライブがスタートした。冒頭から観客は大盛り上がりで、それを目の当たりにしてか、サングラスはしているもののAyaseは笑みを浮かべ、ファンに手を振ったりと喜びを隠せない様子だった。

 続く「祝福」では、ikuraがビジョンから降りてステージ中央に立つと、アーティストとの距離の近さに改めて気づかされる。観客からは「I love you」や「YOASOBI!」、おそらく母国語が日本語ではないと思われるファンから「愛してる」という言葉もかけられた。

 曲間のikuraのMCはすべて英語で、「Good evening everyone, we are YOASOBI from Japan」という自己紹介の後、「【コーチェラ】に出演なんて信じられないです。私たちにとって大きな夢が叶いました」と興奮した様子で現在の心境を説明した。「ステージを盛り上げるために来ました。ダンスと一緒に歌う準備はできてる?」という言葉とともに、ロック調の「セブンティーン」をスタートすると、観客からは「オイ、オイ!」という掛け声があがった。この曲では、キーボードのミソハギザクロがダンスを披露し、彼女の多才さとともにバンドの演奏力の高さも強調されていた。

 セット中盤で、ikuraは、「この瞬間を大切にしよう」と語りかけ、オーディエンスにスマホのライトを灯すようリクエスト。スローテンポな「たぶん」のイントロが流れると、素早く反応するファンの熱心さが感じられた。続く、「勇者」での中盤では飛び跳ねたりヘッドバンキングをしたりと観客がそれぞれ思い思いに楽しんでいる姿が印象的だった。

 その後、「終わりに近づいてきたけど、みんなのエネルギーをもっと見せて!」とさらにオーディエンスを煽ってから「怪物」、「かけがえのない僕だ」を「かけがえのないみんなだ」と歌詞を変えた「群青」、今回のパフォーマンスのハイライトとなった「アイドル」を立て続けに披露した。

 9曲45分に及ぶ今回のパフォーマンスで、MCはすべて英語だったが、楽曲自体は日本語の歌詞で披露された。ikuraがこの日のMCで「日本から私たちの音楽を世界に届けようとしています」と説明した通り、日本語詞の“私たちの音楽”を世界的に有名な音楽フェスティバル【コーチェラ】に集まったオーディエンス、そして配信によって世界中のリスナーに“届けた”記念すべきライブとなった。


Photo: Ashley Osborn (@ashleyosborn) / Courtesy of Coachella