4月16日に告示される衆院東京15区の補欠選挙。東京都の小池百合子知事は、この補選を足がかりに国政への影響力を増し、7月の知事選での地盤も固めることも視野に入れていたはずだ。だが、立候補予定者の過去のスキャンダルや、自らの「学歴詐称」疑惑が蒸し返されたこともあって、意外な苦戦が予想されている。
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「こんな数字とはびっくりしたよ。断トツでトップだと誰もが思っていたからね」
そう暗い表情を見せるのは、自民党岸田派の国会議員だ。
4月16日から始まる全国3つの衆院補選は、岸田文雄首相にとって正念場だ。3敗すれば政権運営すら危うくしかねない。
自民党は島根1区で候補者を擁立したが、自民への逆風を受け、苦しい情勢が報じられている。長崎3区では裏金事件が直撃し候補を擁立できず不戦敗。東京15区も候補を擁立できなかったが、自民党には当初、小池知事が推す候補を支援して勝利することで、面目を保とうという目論見があった。
その東京15区で、小池知事が自ら特別顧問を務める「都民ファーストの会」から擁立したのが乙武洋匡氏(48)だ。
乙武氏は2016年の参議院選挙で自民党から立候補の調整を進めていたが、女性スキャンダルが報じられたことで自民党が擁立を見送った経緯がある。22年の参院選では東京選挙区から無所属で立候補したが、敗北している。