『女帝』の著者の石井氏は取材に対し、こう話した。

「私の著書をきっかけに、カイロ大学が声明を出したとき、きっと裏で何かからくりがあるのだろうと思っていました。小池知事は保身のため、小島さんや都民ファーストなど周囲の人を巻き込んでいることがわかる。側近であった小島さんがここまで告発しているのですから、誰もが納得できる説明をすべき。小池知事は進退を考えるべきではないか」

 小池知事は4月12日の定例記者会見で、この問題について、「そもそも大前提が違う。卒業し、大学が認めている。大学の声明文も、カイロ大学の当局が意思を持って出されたもの」「毎度毎度選挙のたびにこうした記事が出るということは、そもそも残念なことです」などと反論した。

 今年7月に都知事選を控える小池知事。東京15区で、自民党が乙武氏に乗ってくれれば自民党に貸しができ、都知事選では自民党は独自候補の擁立が難しくなる。都知事選も優位に展開できる、という算段があったはず。

 それだけに、都民ファースト幹部の表情はさえない。

「自民党と公明党の政権与党がバックにつけば東京15区は楽勝。7月の都知事選も自民党の候補がいなければ、敵なしと小池知事は計算していたはずです。乙武氏についても、炎上もある程度は予測しつつ、小池知事の人気があれば勝てると出馬に舵を切った。しかし、乙武氏の昔のスキャンダルへの反発が意外に強いのに加えて、小池知事本人の学歴詐称までが再燃した。しかも身内だった小島氏から出るとはびっくりでした。小島氏は都民ファーストのまさに参謀、指南役でしたから、信頼性が高く、よけいにダメージが大きい。東京15区を実際にまわっても、乙武氏への反発は強く、情勢調査の数字が悪いのもよくわかる。まさかのダブルスキャンダルに党内は暗い雰囲気です」

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