自民党は4月6、7日、独自に補選の情勢調査を実施した。この調査の結果、東京15区の立候補予定者のうち、トップは立憲民主党公認の酒井菜摘氏で18%。2番手は維新の金沢結衣氏で15%。乙武氏は11%で3番手だった。冒頭の岸田派議員は、この調査結果に驚いていたのだ。

 乙武氏は4月8日に正式に立候補表明の会見を開いた。無所属での立候補としながらも、会見場には乙武氏と小池知事のポスターが並べてあちこちに貼られていた。

 この会見では過去に報じられた女性スキャンダルが蒸し返され、乙武氏は釈明に追われた。また、自民党の推薦について、「自民から推薦を受けることはおそらく逆風になるだろう」とも発言した。

 この発言に自民党都連は反発。12日に自民は小渕優子選対委員長が、乙武氏から要請がないこと、地元の支部から「推薦しないように」との申し入れがあったことを理由に推薦見送りを発表した。

 これによって、自民党は東京15区での不戦敗が確定したが、推薦見送りを決めた背景には、乙武氏の発言への反発だけでなく、情勢調査の結果もあったようだ。東京都選出の自民党衆院議員の一人がこう話す。

「乙武氏が立候補を表明し、小池知事が応援すると決めれば圧勝ムードになると思っていた。しかし、乙武氏の過去のスキャンダルも蒸し返され、そんなムードはない。『選挙に強い小池神話』が崩壊しようとしている」

 同じタイミングで、小池知事自身もスキャンダルに見舞われた。

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