グループの枠を超えてのコラボレーションや交流も見どころ。かつて仲間としてライバルとして切磋琢磨した向井康二と西畑大吾は、仲良く「希望~Yell~」の冒頭をソロとペアとで歌い終えると、手を取りあったまま階段を降りてファンの声援に応えた(撮影/加藤夏子)

 こうしたグループの枠にとどまらない関係性が見られる楽しさは、事務所全体のコンサートならでは。菊池風磨(timelesz)の肩にもたれながらtimeleszの「RUN」を歌う山田涼介という「よにのちゃんねる」での交流を窺わせる仲の良さや、なにわ男子の「ダイヤモンドスマイル」を永瀬廉と頬を寄せ合いながら歌う大橋和也や大西流星(ともになにわ男子)、NEWSの「希望~Yell~」で、手をつないだ向井康二(Snow Man)の胸に頭をもたれかけた西畑大吾など、デビュー前に関西で切磋琢磨した組み合わせにも、ひときわ大きな歓声が上がった。

 そして迎えた最後の曲。代表して5人が口を開いた。

 亀梨和也(KAT-TUN)「みなさん本日は本当にありがとうございました。これからも、素敵な景色を一緒にたくさん見ていきましょう」

 玉森裕太(Kis-My-Ft2)「僕らがいまできるパフォーマンスを通して、思いが届いてくれたらうれしく思います」

 重岡大毅(WEST.)「みなさん、本当に今日はありがとうございました。僕たちの精一杯のパフォーマンス、これからも届くように頑張ります」

 菊池風磨「この先もファンのみなさまと一緒に歩んでいけたらと思います。どうか僕たちと楽しい時間を過ごしてください」

 大倉忠義(SUPER EIGHT)「ありがとうございました。いつも、どんなときも応援してくださるみなさまに感謝の思いを込めて、最後の歌を歌いたいと思います。聴いてください。『WE ARE』」。

 メインステージに勢揃いした72人全員で歌うのは、”STARTO for you”チャリティーソングだ。「WE ARE」は、6月12日にCDを発売予定、この10日からデジタルシングルとして先行配信もスタートした。作品の収益は全額、令和6年能登半島地震の被災者に寄付される。

「大事なものはいつもなくして気がついた/当たり前に過ぎた毎日も/悲しみに負けたくなくて/だけど立ち止まる日々」と始まるこの楽曲は、被災地に向けてのエールソングであると同時に、人生という旅の途中で傷つき悲しみのなかにいるすべての人たちへのメッセージが込められているという。

「新たな明日へ」――。この日、ステージ上で多くが語られることはなかったが、全員で声を揃えて歌うこのフレーズに、思いのすべてがこもっているようでもあった。

 ステージの幕が降りる前に、村上信五(SUPER EIGHT)はこう告げた。

「みなさんがいちばん頑張ってくださったと思いますので、我々72名からの拍手で、みなさんのことを少しでも応援させてください」「今日は我々の、本当の新たな一歩、スタートだと思います」

 このコンサートは、NEWSの3人も参加しての14組75名のアーティストにより、5月29日・30日に京セラドーム大阪でも開催される予定。30日の最終公演は、有料生配信も決定している。

*「AERA」オリジナル記事

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