全裸にされ陰部の中を検査
だが県弁護士会は、「フレーム幅が1.1センチの眼鏡は巷(ちまた)にあふれており、宮城刑務所内では許可されていたことを踏まえると、刑事施設の管理運営に支障をきたすとは考えられない」「適切に視力を矯正して文化的な日常生活を送ることは、人格権や生存権として憲法で保障されている」として、今年2月、福島刑務所に内規を改めることなどを求めた。
とはいえ、弁護士会からの勧告は法的な拘束力を持つものではなく、あくまで意見の表明にとどまる。同会によると、その後、勧告どおり内規が改定されたかどうかは確認できていないという。
同会には、受刑者やその関係者が刑務所内での人権侵害を訴える申し立てが、年に10~20件前後届く。調査の結果、今回のように刑務所に対して事態の改善を求めるのは、そのうちの数件だ。同会ホームページでは、刑務所への勧告として、こんな事例が報告されている。
「申立人に対して、『足をあげろ』、『足を引きずるな』などと指示し、軍隊式行進をさせることは、申立人の人権を侵害するものである」
「申立人が娘宛にクリスマスカードを購入しようとしたところ、貴所職員が申立人に対し『お前クリスチャンか?』『クリスチャンじゃないと買えない』と述べ、クリスマスカードの購入を許可しなかったことは人権侵害にあたる」
「申立人~中略~が、福島刑務支所内保護室において全裸にされ、両手を壁に突かされた状態で陰部の中を検査された際に、その一部始終を男性の刑務官がビデオカメラで撮影・録画していたことは、申立人の人権を侵害するものである」