「A子」「B子」の出廷が最重要ポイント
バラエティー番組を手掛ける放送作家はこう振り返る。
「どちらの裁判も記事掲載から2年以上の歳月が流れていますが、『文春』が一審で敗訴しています。せいやさんの記事は『Zoom』を使った既婚の女性ファンの女性とのオンライン飲み会の際、せいやさんが女性の意に反して一方的に自分の局部を映し、自慰行為をする様子を見せつけたといった記事の内容でしたが、今回の松本さんの裁判と同様、被害者とされる女性が証人として出廷し、証言するのかが注目を集めました」
せいやサイドは裁判で、オンライン飲み会の際には2人ともお互いを恋愛対象として見ていて女性の方から乳房を見せてきたことや、相手も自慰行為をしていたなどと主張。
これに対して被害者とされる女性が証人として出廷し、せいやサイドの主張に反論するのかが焦点となったわけだが、結局、この女性は出廷はしなかった。
結果的に、裁判所は「女性の意思に反してこのような行為に至ったということは真実とは認められず、ハラスメントとも評価できない」と認定。また、その行為の際のキャプチャ画像や言動を記事に掲載した点に関しても、せいやの「性的羞恥心を強く害したものでありプライバシーを違法に侵害する」との判断を示した。
今回の松本の裁判も2~3年の長期戦が予想されるが、現状では、松本側の代理人を務める田代政弘弁護士らは「本人(松本)が出廷を拒否することはないと思います」とコメントし、一連の記事に関わる芸人仲間らによる証人としての出廷の可能性に関しても「裁判の進み方を見て、必要あれば必要な証人に出廷してもらう」と話しているという。
それに対し、「文春」サイドは「A子」、「B子」の出廷については今のところ明言を避けている。ただ「A子」は最新の「文春」の告発記事で、裁判で証言台に立つつもりでいると話している。裁判のゆくえはどうなるのか。
「過去に裁判になったケースや、松本サイドの『A子』、『B子』の身元特定要求に対し、『文春』サイドが不快感を示しているスタンスを見ると、2人とも証人尋問には出廷しない可能性が高いのではと見る向きもあります。ただ、そうなると『文春』サイドはかなり不利な戦いになるのではないでしょうか」(前出の情報番組スタッフ)
次回期日は6月5日となるが、新たな展開を迎えることになるのか。
(立花茂)