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 周囲に、あなたの時間・エネルギー・タイミングを奪う人はいないだろうか? 『頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編』から、理不尽で不愉快な存在との対処法を一部抜粋で解説する。

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なめられることが戦いの原因に

 スイスが永世中立国であることは広く知られている。そんなスイスは「日本国憲法第9条」がある日本のように平和を唱えているだけの国家なのであろうか? 答えは否だ。スイスは国民皆兵の国だ。成人男性は軍事教練を受ける義務があり、20世紀初頭までは全戸にマシンガンを含めて武器が配備され、ほぼ全戸に核シェルターが設置されている。「平和を貫くために武装している国家」なのだ。しかし、隣国を挑発したり、追い詰めたり、そんな姿勢は見せない。いざとなれば戦う姿勢をチラ見せしているのだ。

 挑発したり、追い詰めたりすることは厳禁だが、スイスにならってわれわれも「やるときはやるぜ」という姿勢をチラ見せすることはとても有効である。

 アホと戦わないことを目指すあまりに、過剰にいい人に見せたり、アホから逃げる姿勢が弱みに見えたりすることは避けないといけない。アホは本来暇でガッツがない人物なので、「いい人」や「弱い人」をいじめたくなったりいじりたくなったりする傾向があるのだ。

 アホが絡んできて、相手を挑発しない程度に毅然たる姿勢を見せながら「スルー」を決め込むのだ。アホを利用するために仲間に引き入れる時も、あくまで凛とした立ち居振る舞いを保つことだ。それでも、アホの有力ないじりターゲットである「いい人」や「弱い人」に見られてしまったら、これはどこかでファイティングポーズをチラ見せしないといけない。

 目的は挑発や戦って勝つことではない。勝ってもさらに陰湿に憎まれたりしたら、何のために戦ったのか意味がわからなくなる。目的は「こいつを怒らせたらやっかいだ」と思わせることだ。「私はあなたと戦ったりするような無駄は絶対しませんが、あんまりいやらしいとやるときはやりますよ」と心の中で常に唱えておくのだ。そうすれば、それを相手が感じてくれるようになる。アホと戦ってはいけないが、なめられるのもよくない。なめられることが戦いの原因を作ってしまっているともいえる。

「アホとは戦わない」気持ちをもちながら「やるときはやるよ」という姿勢も保持しよう。

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いちばん効果的なのは反応しないこと