ドジャースの山本由伸(左)[写真:AP/アフロ]

 メジャーリーグで注目の日本人選手は大谷翔平だけではない。ラーズ・ヌートバーを含めた「12人の侍」がメジャーの舞台でプレーする。中でも今季、新たに挑戦する3投手はメジャーで通用するのか。日米でプレー経験のある山口俊氏に分析してもらった。AERA 2024年4月1日号より。

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 今季メジャーリーグと契約した大谷を除く11人のうち投手が8人。メジャーで日本人投手が高く評価されている証しと言えるだろう。この中で山本由伸(25、ドジャース)、今永昇太(30、カブス)、松井裕樹(28、パドレス)がメジャーに新たに挑戦する。日米通算200勝まであと4勝に迫ったダルビッシュ有(37、パドレス)、メジャー2年目を迎えた藤浪晋太郎(29、メッツ)の活躍も気になるところだ。今回は現役時代に日米通算68勝70敗112セーブをマークした山口俊氏(36)に分析してもらった。

 最も期待値が高いのが今季メジャー1年目の山本だろう。オリックスのリーグ3連覇に貢献するなど、日本球界が誇る絶対的エースとして活躍。山口氏は「直球、変化球、制球力とすべてにおいて完成度が高い。特に効果的な球種がカーブです。メジャーは『フライボール革命』で打者の目線が高めにいく傾向がある。高めから落ちるカーブは目線が変化するので打者が嫌がるでしょう。緩急という点でも効果的です」と高く評価する。

米国のマウンドは硬い

「強いて懸念点を挙げるとすれば、身長178センチとメジャーでは小柄なこと。角度がない分、打者目線で高めの直球がフラットに見える。でも高低にきっちり投げ分けられる制球力があるので過度に心配していません。打線が強力なので15勝は可能だと思います」(山口氏)

 今永とはかつてDeNAで共にプレーしていた。「野球に対してすごくストイックでしたね。投球について色々勉強して研究熱心だった」と振り返る。球速以上のキレを感じさせる直球に加え、変化球も多彩だ。昨年は最多奪三振のタイトルを獲得している。「直球で空振りが取れるのが大きな魅力。縦に落ちるチェンジアップも有効になってくる。能力は申し分ないのでコンディション作りが重要ですね」と指摘する。DeNAでは故障に見舞われた時期があり、2ケタ勝利が3度のみと意外に少ない。

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