東京都心を走る大型の広告宣伝車(アドトラック)。画像の一部を加工しています

 都心の繁華街でよく見かける、けばけばしいデザインで派手な装飾の広告宣伝車(アドトラック)への規制が、今年から強化される。現状、東京都は条例の施行規則で、都内ナンバーのアドトラックにデザイン審査の受検を求めているが、6月末からはその対象を都外ナンバーにも広げる予定だ。だが業界関係者によると、既にナイトレジャー業界を中心に横行している“抜け道”があるという。「景観を乱す」「見ていて不快感がある」と白い目で見られがちな“ド派手トラック”を取り締まることはできるのか。

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 “ド派手トラック”が「社会問題化」したのは2010年のこと。派手な色や発光で装飾したアドトラックが走行するようになり、都民から苦情が相次いだのだ。

 そこで都は街の景観や交通安全を守るため、翌11年に屋外広告物条例の施行規則を改正。都内ナンバーのアドトラックには、公益社団法人「東京屋外広告協会」が行うデザイン審査の受検を求める運用にした。

 だが、都内を走るアドトラックの大半は規制対象外の都外ナンバーという実態がある。昨年2月、都が新宿と渋谷で約1週間ずつ定点観測調査をしたところ、確認された74台のアドトラックのうち、都内ナンバーはゼロ。代わりに、神奈川、埼玉、千葉の近隣3県のナンバーが7割以上を占めた。

 相変わらず“ド派手トラック”が周遊する街なかの様子に、「条例が目指す姿と実態がそぐわない」と判断した都は、ついに今年3月、再び施行規則を改正。都内を走るアドトラックには、ナンバーに関係なく一律でデザイン審査を求める規制強化に踏み切り、6月30日から施行する予定だ。

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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審査基準があいまい