仲間を誘って、年に2、3回は、海外に行く。
それだけでなく、
「大谷さん、この国がおもしろいよ。行ってみない?」
と誘われれば、できるだけスケジュールを調整して行くようにしている。
「国内だけでも、あちこち飛び回って忙しいのに、よくそれだけどこでも行くね」
と、からかわれることもある。
坂本龍馬、吉田松陰、維新の志士と言われる人たちが最初にやったことは、日本中を旅して回ることだった。
大阪商工会議所の初代会頭の五代友厚など、新しい日本をつくるためにイギリスに入学した「薩摩スチューデント」と呼ばれるメンバー。彼らもまた、危険をかえりみず、イギリスへと向かった。
日本中だけでなく海外を見て、いろんなことを感じ、いろんな人と出会い、彼らは次の行動を考えた。
「見て、感じなければ、何もわからない」
「聞いて学ぶことと、実際に見るのは違う」
わたしは、そう信じている。
だから、どこへでも、できるだけ行く。
実際に行ってみると、情報と現実の違いに驚くことばかり。
たとえば、中東なんてまさにそうだった。
「ドバイを見てくださいよ」
そう言われて、中東に詳しいコンサルタントの石田和靖さんとドバイに行った。
平和だった。活気があった。安全だった。
なんでも世界一がいっぱいあった。
日本にいると、シリアなどの空爆の話だったりする。
「対岸では、戦争しているんですよね」
と言うと、石田さんに笑われた。
「ドバイとシリアって、どれだけ離れているか知ってますか? 逆にドバイの人たちは、『あんなに近いのに北朝鮮と日本大丈夫?』と、心配していますよ」
たしかにそうかもしれない。