結婚、出産前の大島優子(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

大島優子という名前を消したい

 母になって意識の変化もあったようだ。「FRaU」(24年2月19日配信)では、AKB48時代は「私がグループを守らなくては!」という気持ちで、メンバーの意識を高めるために自分に厳しく、その上で人にも厳しくしていたが、母親となり「守る」という意識も変わってきたと告白。自然災害や事故などで、万が一、最悪の事態になった場合は「なんとしてもわが子を一番に守る」ということを常に念頭に置いているという。一方、自身はどんどんたくましくなっていて、上手に受け流したり、諦めたりする技術も備わってきたという。人間としてのキャパシティーや生き方の幅が広がっているとも感じていると明かしていた。

 物事への許容範囲が広くなったことで、ストレスもたまりにくくなり、子育てだけでなく仕事にも良い影響が出ているかもしれない。

 だが、出産前の22年のインタビューでは、グループを卒業した当初の葛藤を打ち明けていたこともある。

「当時はAKB48の大島優子というフィルターをかけて見られてしまうため、『何よりも大島優子という名前を消さなければ』という思いが強く、しかも無理に消そうとするので悪循環になっていたそうです。これは、2017年に自分のことを誰も知らない海外に留学したことで、人からどう思われるか気にならなくなったそうですが、さらに最近は自身がAKB48にいたということを知らない若い人が増えてきて、それがすごく新鮮だとか。そんな今が転換期と感じ、どんな役でもやれるような準備をして、期待される俳優になれるように下地を固めていきたいとも話していました。女優として活動する上でネガティブなイメージがつきまとう“元AKB”という呪縛から、この数年で開放されつつあり、さらに母となったことで世間の印象もガラリと変化するでしょう」(同)

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