オーディションに落ち続けた濱田龍臣

 前田は現在放映中のNHK連続テレビ小説「おちょやん」に、主人公の家に身を寄せる少年役で出演。天真爛漫に見えながらどこか陰のある難しい役どころを好演している。ドラマ「MIU404」(TBS系・2020年)の第3話にゲスト出演した際は、いたずら心で犯罪に手を染めてしまう高校生を熱演。ゲスト出演ながら鮮烈な印象を残し、SNS上でも「前田旺志郎くん演技素敵だった!」「立派な役者に成長してる~」と絶賛の声が多くあがっていた。その演技は業界内でも折り紙付きで、映画は今年だけで「キネマの神様」、「うみべの女の子」(8月公開予定)、「彼女の好きなものは」(秋公開予定)と3本も出演している。

 また、濱田も現在公開中の『ブレイブ -群青戦記-』や7月公開の『ハニーレモンソーダ』と今年は2本の映画に主要キャストに名を連ねている。

「3人に共通して言えることは、少年から青年への移行期にほどよい充電期間や仕事のセーブ時期があったこと。これが子役のイメージを払拭させるのにとても大切な時間になっているようです。濱田さんは中学のときにオーディションに落ち続け、俳優をやめようと思ったこともあるとインタビューで明かしていましたが、それが逆によかったのかもしれません」(前出の記者)

 ドラマウオッチャーの中村裕一氏は、元子役俳優についてこう分析する。

「ふた昔くらい前だと、子役は子供の頃がピークで、その後あまり大成しないようなイメージがありましたが、それも過去の話。柳楽優弥や神木隆之介のように、子役出身ながら上手に年齢とキャリアを重ね、しっかり独自のポジションを確立している俳優もいます。早く世に出たことによる戸惑いや、いつまでも子供扱いされることへの反発、俳優としての伸び悩みなどの壁もあると思いますが、昨今の元子役俳優は見事にそれを乗り越えた感じがありますね」

 年齢とさほど変わらない芸歴を誇り、20歳前後でも、経験は十分の3人。深みと幅のある演技力を携えた彼らの快進撃はまだまだ続きそうだ。(高梨歩)

暮らしとモノ班 for promotion
大谷翔平選手の好感度の高さに企業もメロメロ!どんな企業と契約している?