今や、日本の民主主義、平和主義の危機である。経済も株価上昇で浮かれる向きもあるが、その内実をみれば崖っぷちだ。戦えない立憲は、これらの複合危機に対する危機感が全く不足しているとしか思えない。米国の民主党と似ている。

 では、我々国民はどうだろうか。今は裏金問題で大騒ぎしているように見えるが、その割に検察や国税庁や官邸に怒った国民が押し寄せるというようなことは全く起きない。小規模なデモなどは行われているが、3.11の後の反原発のデモや集団的自衛権を容認するいわゆる安保法制が成立するときの大規模デモとは比較にならない。岸田政権から見れば、全く怖さを感じないだろう。

 デモをしてもどうせ何も起こらないと諦めているか、それ以前に関心がないのか。まさに「無気力」と言われても仕方ない。

 では、日本でも、詐欺師と臆病者と無気力な人々の戦いになったとき、誰が勝つのか。

 これだけ酷い裏金問題があるのだから、普通に考えれば、野党が勝つのではと思いたくなる。しかし、自民党の支持率がいくら下がっても、立憲や維新の支持率は概ね1桁で、しかも両党は選挙協力できる見通しがない。

 このままでは、多くの国民は無気力なままで、投票率は下がる可能性すらある。そうなれば、自民党が議席こそ減らすものの、そこそこの議席を取って事実上の勝利ということになるかもしれない。岸田自民の思う壺だ。

 政権交代が起きなければ、どうあがいても、本物の政治改革はできない。自民党の利権政治により失われた30年、というより「悪夢の30年」は、さらに長引き、日本の危機は最終段階を迎えるかもしれない。

 経済がまだ好調を保つアメリカよりも状況は悪いのではないだろうか。

 では野党第一党の立憲はどうすれば良いのか。シャラメイン氏の言になぞらえれば、臆病者の立憲の泉健太代表にカリスマ性がなく人々を動かす力がないのなら、他の人に交代せよということになりそうだ。

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国民は野党の本気度を確かめようとしている