3月8日は「国際女性デー」という記念日です。ジェンダー平等や女性特有の課題に向き合う日として、世界で広がり続けています。日本では国際女性デーにあたってお祝いをする習慣はありませんが、昨今のSDGsの普及に伴い、国際女性デーの存在を知る方も増えたのではないでしょうか。
この記事では、国際女性デーとはどんな日なのか、世界でどう祝われているのか、紹介します。
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国際女性デーとはどんな日?
「国際女性の日(International Women's Day)」は『女性の政治的自由と平等のために行動する記念日』として、1975年3月8日に国連で提唱され、77年の国連総会で議決されました。「ミモザの日」とも呼ばれ、欧米では、黄色いミモザの花をシンボルとして、男性が女性に感謝と敬意を込めて贈る風習があります。
国連では毎年テーマを定めており、2024年は「女性に投資を。さらに進展させよう。」だそうです。
(参考:内閣府男女共同参画局、unicef、国連広報センター、国連女性機関)
国際女性デーはどのように始まった?
1908年3月8日、米ニューヨークで女性たちが労働条件の改善と婦人参政権を求め、大規模な抗議活動をしたことに由来すると言われています。1910年にあったデンマーク・コペンハーゲンでの国際会議で、この日を国際的な女性の日とする提唱があり、1911年に欧州各地で初めて記念行事が行われました。
それから2度の世界大戦を経て、女性の権利は徐々に認められるようになっていったのです。
日本でも広がる国際女性デー
日本でも国際女性デーを盛り上げる、セミナーや講演会、表彰式など、さまざまなイベントが行われるようになっています。実施するのは、女性団体のほかに民間企業、自治体、大学など。3月8日の当日や、その前後の期間に実施されます。
国連女性機関(UN Women)は3月8日、東京・文京区と共催でシンポジウムを予定しています。
国際女性デーにあわせ、大阪市では大阪市役所や大阪城の天守閣、熊本市では熊本城の天守閣が、ミモザカラーにライトアップされます。
また、2023年の国際女性デーにあたっては、岸田文雄首相や東京都の小池百合子都知事らがメッセージを出しています。
(参考:首相官邸、東京都、大阪市、熊本市)
世界各国の国際女性デーの過ごし方
世界的に見ると、3月8日の「国際女性デー」を公式な祝日としている国もあり、広く浸透しています。また、ミモザなどの花やプレゼントを女性に贈る風習が世界各国にあります。
(以下、参考:国際NGO「ジョイセフ」、国連広報センターなど)
- イタリア
イタリアでは3月8日を「FESTA DELLA DONNA」(フェスタ・デッラ・ドンナ=女性の日)とし、母親や妻、恋人に限らず、お世話になっている女性に敬意を込めてミモザを贈る風習があります。ミモザの花に見立てた黄色いケーキやパスタを作る習慣もあります。
- ルーマニア
ルーマニアでは、3月8日は祝日ではないものの、記念日として広く認識されています。この日は母の日とされていて、パートナーや子どもなどから花やプレゼントが贈られるそうです。
- アメリカ
アメリカでは3月を歴史における女性の貢献を振り返る「女性史月間」と定め、この期間はアメリカ議会図書館や国立公文書館で、その年のテーマに沿った展示など、さまざまなイベントがあるそうです。
- ロシア
ロシアでは、1917年3月8日の国際婦人デーのデモがロシア革命のきっかけとなった歴史があります。現在では恋人や妻に花束を贈ったり、男性が家事を肩代わりしたりと、バレンタインデーのような日になっているそうです。
- 中国
中国では3月8日の国際女性デーを「婦女節」と呼び、女性は半日休暇を取ることができるそうです。国際女性デーは広く浸透しており、化粧品などのお店やネットショップではセールを実施。なお、若者の間では「婦女という表現がダサい」とされ、「女王節」「女神節」と呼ぶこともあるそうです。
まとめ
3月8日の「国際女性デー」は、ジェンダー平等の実現など、女性の社会的な活躍を応援するイベントが、各地で行われます。また、「ミモザの日」とも呼ばれ、世界では女性に花やプレゼントを贈る風習もあります。
日本でも年々、浸透してきています。ミモザの花を買ってみるなど、気軽にできることから始めて、イベント気分を楽しむのもおすすめです。
(AERA dot.編集部)