王同様、プロ初安打を本塁打で飾ったのが、14年にドラフト1位で入団した岡本和真だ。

 1年目の15年は3月に腰の張り、5月に下半身の張りで1カ月ずつ離脱し、2軍でも1本塁打と満足な結果を出せずにいたが、8月27日に1軍初昇格。9月5日のDeNA戦で、5回に砂田毅樹からプロ3打席目にして初安打となる左越え2ランを放った。

「こんなに早く打てるとは思っていませんでした。忘れられない感触になると思います」と感激の面持ちで語った岡本は、昨年、後輩の浅野がプロ1号を放った際にも、「僕もそういう歳になりましたか。『僕以来』みたいな」と8年前の一発を感慨深げに回想していた。

 こうして振り返ってみると、高卒1年目で本塁打を記録した選手のほとんどが大成しており、“持っている男”の証明と言えそうだ。浅野も偉大なる先輩たちに続くことができるか?(文・久保田龍雄)

久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。