34年ぶりに歴史的な水準を突破した

 日経平均株価は2月22日、バブル期の1989年12月末につけた史上最高値を更新し、3万9098円68銭で引けた。約34年ぶりに歴史的な水準を突破したが、株価の上昇を主導したのは一部にすぎず、値上がりの余地のある銘柄はなおたくさんあるという。相場やライバルの値動きから出遅れたとはいえ、これから投資家の評価が高まると期待される銘柄を専門家に挙げてもらった。

【写真】専門家が注目する出遅れ10銘柄はこれ!

 22日の日経平均株価は前の日に比べて836円値上がりした。米国時間の21日に発表された米半導体大手エヌビディアの決算が事前の市場予想を上回る内容で、AI向け半導体需要の成長が確認できたことから、22日の東京市場は半導体関連銘柄を中心に買われた。

 日経平均株価の昨年末終値からの上げ幅は5600円を超える。

 この間の上昇をけん引したのは海外投資家だ。東京証券取引所によると、海外投資家は2月の第1週(5~9日)まで6週連続で、日本株を買った額が売った額を上回る「買い越し」だった。1月の現物株の買い越し額は2兆円を超えた。

5%台の伸びにとどまる

 ただし、それでも値上がりした銘柄は全体のうちの一部に限られるという。国内の主要な225銘柄からなる日経平均株価と、旧東証一部上場銘柄などより多くの企業の株価から算出される東証株価指数(TOPIX)の昨年末からの伸び率を比べると、日経平均の伸び(16.8%)がTOPIX(12.4%)を上回る。

 主要な大型株に絞った株価指数「TOPIXコア30」と、新興企業株の値動きを示す「東証グロース250市場指数」を比べるとその差はもっと大きい。TOPIXコア30が年末から17%超上昇したのに対し、東証グロース250市場指数は5%台の伸びにとどまる。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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