ファームで土台作りからコツコツ積み重ねた
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 中日ファンは心が躍っただろう。先発ローテーション入りを狙う根尾昂が順調な仕上がりを見せている。

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17日の練習試合、DeNA戦(北谷)で3回無安打無失点のパーフェクト投球。最速143キロの直球にカーブ、フォークを織り交ぜ、得意のスライダーは封印した。大阪桐蔭の先輩でもある今中慎二臨時コーチから教わったカーブの精度もまずまず。映像で確認した他球団のスコアラーはこう分析する。

「まだ打者の状態が仕上がっていないことを差し引いても、直球にキレがあり制球もまとまっていた。緩急や奥行きを効果的に使う投球術は村上頌樹(阪神)と重なります。村上のレベルに達するには制球を磨く必要がありますが、球のキレと制球力を磨くという方向性に迷いがなくなった印象がある。体も一回り大きくなって出力が上がった感じがします。先発ローテーションに入ってくる可能性は十分にありますし、要警戒ですね」

土台作りからコツコツ

 1年前の春先を考えれば、見違える姿に進化している。昨年は投手に転向して初めてシーズンを迎えたが、春先はフォームが固まらずブルペンの投球練習で暴投を連発していた。シーズン途中に野手から投手に転向した2022年は25試合登板で防御率3.41と合格点をつけられる内容だったが、根尾に何が起こったのか――。

「投手として3年以上のブランクがあったにもかかわらず、22年は150キロ台を連発して騒がれましたが、痛打を浴びて限界を感じたと思います。速いだけの投手は捉えられると感じ、脱力したフォームから直球のキレ、変化球の質の高さを求めて投球スタイルを作り直した。思い描く理想と現実のギャップに悩んだ時期もあったと思います。だが、根尾はブレなかった。1軍登板は9月の2試合のみに終わりましたが、ファームで土台作りからコツコツ積み重ねたからこそ、這い上がれたのだと思います」(中日を取材する記者)

2022年シーズン途中に野手から投手に転向した
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フォームがコロコロ変わっていた