17日の土曜プレミアム(フジテレビ、午後9時~)は『特別編集版「鬼滅の刃」遊郭潜入編』。「遊郭編」の特別編集版として、「遊郭潜入編」「遊郭決戦編」が2週連続で放送される。華やかな言動と圧倒的な強さで高い人気を誇り、「遊郭編」でも活躍を見せるのが宇髄天元だ。しかし、その「派手さ」には理由があった。過去の記事で振り返る(この記事は「AERA dot.」に2021年4月22日に掲載された記事の再配信です。肩書、年齢等は当時のもの)。
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『鬼滅の刃』の登場人物で、ファンから最も美しい男と称されるのは「音柱」の宇髄天元だ。アニメ第2期「遊郭編」のPVでは、宇髄の「派手だろ?」というセリフと華やかな姿が話題となった。しかし、明るく艶やかな言動とは裏腹に、宇髄は自分の半生と「柱」としてのあり方に苦悩する。宇髄が求める「強さ」は、彼が抱える苦しみと表裏一体でもあった。【※ネタバレ注意】以下の内容には、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。
派手で美しい男・宇髄天元
魅力的なキャラクターが数多く登場する『鬼滅の刃』の中でも、最も美しい男・宇髄天元(うずい・てんげん)。冨岡義勇、素顔の嘴平伊之助、刀鍛冶の鋼鐵塚蛍など、目をひく容姿の登場人物は少なくない。
だがそんな中で、宇髄天元の外見の描写は特別だ。198センチ・95キロの恵まれた体格、激しい戦闘をくぐり抜けながらも、傷ひとつない美しい顔立ち。さらに宇髄は、隊服にも宝石や金の装飾をつける「派手さ」を好み、その華やかな美貌を「わざと」際立たせている。
<俺は“元忍”の宇髄天元様だぞ その界隈では派手に名を馳せた男>(宇髄天元/8巻・第70話「人攫い」)
<いいか?俺は神だ!><派手を司る神…祭りの神だ>(宇髄天元/9巻・第71話「遊郭潜入大作戦」)
その言動からも、宇髄は自ら派手さを強調していることがわかる。
皆がうらやむ宇髄の容姿
宇髄の活躍が主に描かれるのは「遊郭編」だが、ともに任務にあたった鬼殺隊隊士・我妻善逸(あがつま・ぜんいつ)が、彼の顔を「普通に男前じゃねえか」とねたむシーンがある。また美しい男女を見慣れているはずの遊郭で働く者たちも、その美貌に目を奪われる。
<お前いいなぁあ その顔いいなぁあ><女にも嘸かし(さぞかし)持て囃されるんだろうなぁあ>(妓夫太郎/10巻・第86話「妓夫太郎」)
敵対する鬼にすら、その美しさを褒められ、嫉妬される男。素顔の宇髄も美しいが、戦闘中、隊服に身を包む彼は、2本の大きな日輪刀を背負い、目の周りには派手なメーク、爪にもネイルをほどこし、きらびやかな装飾品に身を包む。後述するが、宇髄が派手さを強調し、戦闘の邪魔になりそうなこれらの装いを「あえて」しているのには理由がある。