全国各地のそれぞれの職場にいる、優れた技能やノウハウを持つ人が登場する連載「職場の神様」。様々な分野で活躍する人たちの神業と仕事の極意を紹介する。AERA2024年2月19日号にはBIGLOBE シニアプロフェッショナル 縄手真人さんが登場した。
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ホテルや旅館に少しでも安く泊まれるプランを知らせるネットサービス「宿みっけ」を開発した。
旅行会社から届いた予約完了メールを宿みっけに転送しておくと、より条件の良いプランが見つかったタイミングで通知してくれる。
予約後に同じ宿でもっと安いプランがないか探し直した経験がある──。そう答えた人が自社のアンケートで6割強に上った。ただ、定期的に探し直すのは手間がかかる。自動で届くようにすれば需要があるのでは、と考えた。
物価高に加え、インバウンドでホテルや旅館の宿泊費は高騰している。
少しでも安く泊まりたい人をターゲットに昨年から提供を開始。サービス利用者のうちの3割に約25%安くなるプランを紹介できたという。
大学卒業後、NECに入社し、法人向けサービスに10年以上関わった。その後、旅行サービスを運営する部署に異動。複数の旅行会社の宿泊プランを比べて予約できるサービスに携わった。
旅に関するウェブサイトの企画、運営に携わる一方で、趣味でも夜景や庭園の情報を集めたサイトを運営する。プライベートで培った知見を仕事に生かすことも多く、相乗効果が生まれている。
「仕事と趣味で必要なスキルが一致していることが、仕事へのやりがいや充実感につながっています」
これまでに巡った夜景は国内外で約3千カ所に上る。年に200〜300カ所を回って取材、撮影し、サイトは週1回を目安に更新する。
デートに使える夜景を探したのをきっかけに、1993年に夜景巡りを始めた。インターネットが普及する前の97年にサイトを立ち上げ、夜景の魅力を発信し続けてきた。2018年からは庭園をテーマにしたサイトも主宰している。
「旅って人生を豊かにすると思うんです。例えば夜景や庭園のように何かをテーマにすれば各地を巡る楽しみができ、世界が広がる。地域経済の活性化にもつながります」
次は割安で部屋や宿をアップグレードするプランなども紹介したいと考えている。
「千円高いけどオーシャンビューになるとか、駅直結になるとか。また旅行に行きたいと思う人が増える仕掛けを作りたいですね」
(ライター・浴野朝香)
※AERA 2024年2月19日号