大人だってチャレンジしてはしゃいでいい(イラスト:サヲリブラウン)

 作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。

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 自宅用のパソコンを修理に出していることをすっかり忘れ、焦って古いノートパソコンを引っ張り出し、アプリを再インストールしたりログインし直したりしながら、なんとか原稿が書ける状態までもってこられました。とほほ。

 古いパソコンに保存されていたAERAの原稿は2年前の10月のもの。内容はポッドキャスト番組「OVER THE SUN」が催した初の有観客イベントについて。なんという偶然! 先日、1年3カ月ぶりに2度目のイベントを行ったばかりでしたから。

 原稿には「とにかく話し続けることが、日々の力になる。まだまだ気が抜けない毎日だけれど、私たちはバカ話を続けます」とありました。ちょうどコロナ禍が明けて(まだコロナは流行っているけど)、誰も彼もが他者との久しぶりの接触に緊張しながら、癒やされながらの毎日だったなあ。誰かに会えることがご褒美だったあの頃。

 そして1年とちょっとが経過し、OVER THE SUNパートナーの堀井美香さんと私は「バカ話を続ける」どころか、バカイベント(敢えてこう記します!)を催すまでになりました。LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)2デイズ!

 前回の空気をハッキリ覚えていたわけではないけれど、奇しくも1日目のテーマは「はなす」でした。私たちのバカ話と、リスナーさんからのメールを柱にした内容です。

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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