SDGsに関しては、傘下の大手コンビニ・ファミリーマートの中食(なかしょく)包装をバイオマスにしたり、フードロス削減に取り組んだりと、伊藤忠商事が特に強い生活消費関連分野を通して積極的な取り組みが学生に伝わっているのでは、と市川さんは見る。
「福利厚生や待遇面だけでなく、自分がどれだけ会社を通して社会貢献できるかを就活の軸にする学生が増えています。イベント等でも『代表的なSDGs関連の取り組みはなんですか』という質問をよく受けます」
学情が23年6月に公表した調査では、回答した学生の半数以上が仕事選びの際に企業のSDGsに関する取り組みを意識している。また、「企業がSDGsに取り組んでいることを知ると、志望度が上がる」と回答した学生が7割を超えた。学生の間にSDGsの概念が浸透し、企業選びの軸にもなってきたことが、伊藤忠商事の人気を押し上げているのだ。(あさがくナビ編集長・福井洋平)
※AERA 2024年2月5日号より抜粋