どんなに気をつけていてもかぜをひくことはあります。対策を知って早く治しましょう (c)GettyImages

「かぜを早く治したい」「できることならかぜをひきたくない・・・」と誰もが思うもの。かぜをひいたからといって仕事や家事・育児を休めずつらい、という経験もあるかもしれません。「かぜは万病のもと」とも言われ、さまざまな病気の原因ともなるので「ただのかぜ」と油断するのは禁物です。そのためにこの記事では、日本の漢方のルーツである中国の伝統医学「中医学」をもとに、【かぜの症状別の対策】を分かりやすく説明します。また、かぜをひかないためにできることもお伝えします。今かぜをひいている方は早く良くなり、今後もかぜをひかないでいられますように。

≪図解≫「未病」とは? 適切に対処すれば再び健康に 医師が解説する「予防医学」に通じる漢方キーワード

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油断大敵!「風邪(ふうじゃ)」は万病のもと

 中医学では、かぜは自然界の邪気「風邪(ふうじゃ)」が身体に侵入することで起こる症状と考えます。目に見えないので「邪気ってなに?」と思ってしまうかもしれませんが、悪いものが身体に入ってくるイメージを持ってもらえれば大丈夫です。

 風邪は「寒」「熱」などのほかの邪気と結びつきやすく、風寒(ふうかん)・風熱(ふうねつ)・風湿(ふうしつ)・風燥(ふうそう)などの邪気となって身体に侵入。そのため、かぜをひくと、悪寒、鼻水、咳、発熱といったさまざまな症状が現れるのです。

 このように、一口にかぜといってもその症状は単純ではありません。かぜを早く治すためには、まず自分の症状を見極めることが大切。適切な対処を心がけ、症状の悪化を防ぎましょう。

【チェック】かぜかな?と感じたら、早めの対策で撃退!

 かぜの症状は、悪寒や頭痛などが特徴の寒(かん)、熱やのどの痛みなどが特徴の熱(ねつ)、吐き気や下痢などが特徴の湿(しつ)、咳などが特徴の燥(そう)の4つのタイプがあります。

 それぞれの症状には特徴があるので、そのタイプに合った対処法を知ることが大切。今かぜをひいている方は、自分自身がどんな症状なのかを念頭におきながら読んでみてください。

 それでは、中医学の知恵を活かした食と暮らしの養生法を症状別にご紹介します。

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ぞくぞくする初期症状「寒」のかぜの対処法とは