足が不自由な息子が民泊に

 次女と長男が通った小学校では、5年生になると宿泊学習で新潟に行くことが恒例でした。雪がたくさん積もる地域に3泊し、そのうち1泊は民泊です。次女と長男は年子なので、次女が宿泊学習に行った年に、翌年足が不自由な息子が行くことを想定して次女の担任の先生が、民泊にご協力いただいているご家庭に「身体が不自由だったり、車いすの方はどうやって冬場を過ごしているのでしょうか?」と聞いてきてくださったのですが、「(その方が知る限り)身体が不自由な子どもはその地域にはおらず、高齢の方の場合は家から出ない」という回答で、息子はどうすれば良いのかといろいろ考えました。

 そして翌年、はじめは私も新潟に一緒に行って近くに宿泊することになっていましたが、直前に担任の先生が「付き添いなしで大丈夫!」と言ってくださり、息子をおまかせすることになりました。

「時間はかかっても自分たち(先生)だけで連れて行けるのではないかという結論になりました。彼はクラスで認められている存在なので、何とかなるのではないかと思っています」

 そして民泊先を先生の宿泊先の近くにしてくれたこと、泊まるお宅がとても理解を示してくれたことや、段差があるところにはすべて手すりがあることなどを事前に知らせてくださったおかげで、安心して送り出すことができました。

 ちょうど小学5年生という難しい時期に入り始めた頃で、息子は私が付き添うことを嫌がっていたので学校の対応をありがたく思いました。本人にとっては、今でもとても良い思い出になっているようです。

アロマオイルの足湯で

 さて。医療的ケア児の長女は特別支援学校の部活で「リラックス部」に入っています。リラックス部の冬場の主な活動は「足湯」です。長女は寒い時期になると末端の血行が悪くなり足が冷たくなってしまうのですが、アロマオイルを入れたお湯に足を入れたあとにマッサージをするととても温まりウトウトすることもあると聞き、我が家でもたまに取り入れています。子どもたちが苦手な時期を少しでも快適に過すために工夫しながら、春を待ちたいと思っています。

AERAオンライン限定記事

著者プロフィールを見る
江利川ちひろ

江利川ちひろ

江利川ちひろ(えりかわ・ちひろ)/1975年生まれ。NPO法人かるがもCPキッズ(脳性まひの子どもとパパママの会)代表理事、ソーシャルワーカー。双子の姉妹と年子の弟の母。長女は重症心身障害児、長男は軽度肢体不自由児。2011年、長男を米国ハワイ州のプリスクールへ入園させたことがきっかけでインクルーシブ教育と家族支援の重要性を知り、大学でソーシャルワーク(社会福祉学)を学ぶ。

江利川ちひろの記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
【セール対象商品も】お中元から季節の手土産まで。夏を楽しむ贈りものはAmazon夏ギフト特集で