2010(平成22)年デビューの「初代リーフ」(写真提供/日産自動車株式会社)
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 隔週刊「トミカ歴代名車COLLECTION」は、タカラトミーが厳選した歴代名車を、その詳細を解説したマガジンとともにお届けするシリーズ。スポーツカーからはたらく車まで、毎号付いてくるトミカはオリジナルデザインで、これを集めると、唯一無二のトミカ・コレクションが完成する。

 2週間に一度の発売日には、マガジン巻末に収録されるリレーコラム「My car, My mini car」をAERAdot.にも配信。「日産 リーフ」を取り上げた1月23日発売の18号のコラムは、モータージャーナリスト・竹岡圭による「『HEV』に『PHEV』、 『EV』に『BEV』……」だ。

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 軽自動車を除く、量産型乗用車初の「BEV」と呼ばれる日産リーフ。じわじわと浸透しているこの「BEV」という言葉、要は電気自動車のことです。最近は「HEV」(ハイブリッド車)とか「PHEV」(プラグイン=コンセントからプラグで充電できるハイブリッド車)とか、 ややこしい言葉がたくさんありますが、「BEV」は電気自動車(EV)のうち、100パーセント電気で走るクルマのことです。

 そういえば、クルマ音痴の友人に「EV」と言ったら、「エレベーター?」と返されたこともありました。クルマ業界では一般的な略称も、ところ変わればまったく違うものになりますからね。「LSD」と言えば社会一般では合成麻薬ですが、クルマ業界では「リミテッド・スリップ・デフ」――足回りのパーツの略称なのです(笑)。

 さて、その初代リーフ。それなりの市民権は得たものの、発売当初はバッテリー(充電容量)がすぐなくなると、批判されることが多かったと記憶しています。

 電池はもともと、暑さ寒さの影響を大きく受けます。みなさんもスキー場で、スマホの電池があっという間になくなった~なんていう経験をお持ちかもしれませんが、人間と同じで電池は暑さや寒さに弱いんですよね。

 電池にとって心地いい温度帯は、人間が心地いいと感じる温度帯とほぼ同じだそうで、現在は電池がそういう温度でいられるように、さまざまな工夫が凝らされております。そのおかげで、充電容量はしっかりと大きくなりました。さらに、電池自体も進化を続けているので、一充電での走行距離はどんどん延びています。

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これからの電気自動車に必要なものとは?