気密性を確認したかったら「宿泊体験」してみる
②気密性のあまさにつながる
かなり高い施工技術がないと断熱構造の隙間を解消できません。また断熱材が増えると外と中との温度差が大きくなるので結露リスクも高まり、隙間があればそこに結露が発生してしまうわけです。
丁寧な施工をしている会社は「気密測定」も念入りに行います。ただ、一般の人が測定値を確認するのは難しいですよね。気密性を確認するには、冬場や夏場にその住宅に宿泊して体感すること。宿泊体験できる住宅会社を選んでおくと安心ですね。
気密性を高めるには断熱の施工精度を高めることと、壁材の構成を完璧(かんぺき)にすること。どちらか一方でよいのではなく、二重の保険をかける意味合いで両方を徹底するべきでしょう。
③漏水のリスクがある
まず一般的な断熱材を入れた壁の構造を解説すると、室内側からプラスターボードという壁下地の建材があり、断熱材、耐力面材、防水シート、通気層、外壁という順になります。どんなに精度が高い外壁を施工したとしても雨で水が入ってくることを想定しておかなければなりせん。防水シートも同様で絶対に防げるという保証はないので、水が入ってきても大丈夫だという観点でお話しします。
外断熱は「冬カラカラ、夏はジメジメ」になりやすい
水が入ってくると断熱材や耐力面材が損傷します。これを避けるには、防水シートと耐力面材の透湿抵抗値をあまり高くないものにすること。すると水が入っても抜ける仕組みになるので、劣化しにくくなります。
外断熱のケースではさらに悲惨です。プラスターボード、断熱材、耐力面材、断熱材、防水シート、通気層、外壁という構成になり、断熱材が耐力面材を挟んだ状態になります。
断熱材が透湿抵抗値が高いものだと水は抜けなくなります。断熱材の透湿抵抗値の低いものを設置すると、冬場に加湿しても抜けてしまい、夏場に除湿しても湿気がどんどん入ってくる事態に。つまり、透湿抵抗値の高い断熱材をひとつだけ設置するほうが理に適(かな)っているのです。