ダウンタウンの松本人志さんが、ホテルで女性に性的行為を強要しようとしたとの記事をめぐり、週刊文春側を提訴する方針を示している。裁判の行方はどうなるのか。期間は、賠償額は。名誉毀損の裁判に詳しい専門家にポイントを聞いた。
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週刊文春は昨年末から2号にわたり、東京と福岡のホテルで松本さんが女性に性的行為を強要したと報じた。
吉本興業は昨年末、「当該事実は一切なく、本件記事は本件タレントの社会的評価を著しく低下させ、その名誉を毀損するもの」とし、法的措置を示唆。今月8日、吉本興業は松本さんが裁判に注力するために休業することを公表し、松本さん自身も「事実無根なので闘いまーす。」とXに投稿していた。
裁判の行方はどうなるのか。
「名誉毀損」「プライバシー権侵害」の両方か、どちらかだけか
「名誉毀損とプライバシー権侵害の2つの観点があると考えています。松本さん側が名誉毀損だけ、またはプライバシー侵害だけで訴える可能性もありますし、両方の侵害を主張して提訴することもあると思います」
そう指摘するのは名誉毀損などの問題に詳しい清水陽平弁護士だ。
清水弁護士は松本さん側について、ホテルで飲み会を開いたことや、仲間が女性をアテンドしたことは否定できないのではないかとし、
「記事に書かれている密室での行為があったのか、なかったのか。それが一番の争点になると思います」
と推察する。
清水弁護士によると、名誉毀損で損害賠償を請求するには、「社会的評価が低下した」と認められる必要がある。
松本さん側は記事によって社会的評価が下がったと主張することになるが、記事に書かれた密室での出来事について、すべて真実ではないと否定するのか。一部は事実だが、ここからは違う、という主張をするのか。さらに、真実ではないことをどのように立証するのか。どのような証拠を示すのかは現時点では不明だ。
一方の文春側は、記事の内容は真実である、あるいは真実だと信じる相当な理由がある、ということを立証していかなくてはならない。