hair HAN SOM、make up KIM DA REUM KIM SEON MIN、styling KIM YOUNG JIN KIM YE SONG、prop styling 遠藤歩 撮影 写真映像部・東川哲也

──一人での活動は、メンバーと活動している時とは全く「心持ちが違う」という。

JIMIN:メンバーがいる時には、疲れていても話をしているだけで自然と笑えて元気になったりもしたのですが、今は一人なので、メンバーたちの空席が大きく感じられます。

──BTSが世界中の人々を魅了する理由の一つが、「自分たちのストーリー」を歌に乗せることだ。「FACE」にもまた、「JIMINのストーリー」が詰めこまれている。

JIMIN:楽曲の方向性を決めたり、歌詞を書いたり、作曲家さんと同居しているのかと思うくらい毎日一緒にいて、一緒に作業をしました。音楽制作は簡単ではないということを改めて感じた時間でした。

FACE」は、誰かに何かメッセージを伝えようと思って作ったというより、コロナ禍の2年の間に僕が感じたことを昇華させるために作ったアルバムです。自分と向き合い、少しずつ心の奥深いところまで掘り下げて、歌詞を紡いで曲にして、アルバムという形にしました。

 1stトラックから順序通りに聴いていただくと、僕たちが会えなかった間、僕が何を考えていたのか。メンタルの揺らぎも、そこからどう克服していったのかも、感情の変化が手に取るようにわかると思います。

JIMIN/1995年生まれ。2013年、BTSとしてデビュー。1stソロアルバム「FACE」を3月24日にリリース (c)BIGHIT MUSIC

──コロナ禍により、世界の動きは一時的にストップした。BTSも思い描いていた活動ができなくなった。そんな中、無力感にさいなまれたこともあったという。

JIMIN:パンデミックが始まったころは、強がって、こんな風に言っていたんです。“しばらく待てばいいんだろ”って。でも、「何もできることがない」のは、僕にとって思ったよりもダメージが大きかった。次第にメンタルがどんどん揺らいでいきました。

 歌手というのは、観てくれる方がいるからこそ存在するものです。ファンの皆さんに会えなくなったことで、自分たちの意味が失われた気がしていったんです。そして、だんだん心が疲れ果てていきました。

 同じころ、僕たちの中でも、いろいろな変化が起こりました。それに対しても、僕は無力でした。自分がそんなふうになるなんて、全く想像していなかったので、自分の変化にものすごく戸惑いました。

(構成/ライター・酒井美絵子)

AERA4月3日号表紙

AERA 2023年4月3日号より抜粋

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