電源を入れてからWindowsの画面が表示されるまでの起動時間は約30秒。これはWindows8のPCとしては、特別速いわけではないが、遅いわけでもなく待たされるストレスもない。3年前のWindows7のノートパソコン(Lenovo Thinkpad Edge E430)の起動時間を測定すると、約2分だったので、それに比べると明らかに快適だ。

 ブラウザを起動して、いくつかのウェブサイトを開いてみたが、とくにもたつくこともない。YouTubeの動画を視聴してもスムーズに再生される。また、4K動画もコマ落ちすることなく試聴できた。最近のテレビはインターネット接続できるタイプも増えているが、テレビのリモコンを使った検索などは使い勝手がいいとはいえない。PCのキーボードを使って動画を検索し、テレビの大画面で高画質動画を楽しめるのは快適で楽しい。

 一方、仕事などの作業に使うのにはどうだろうか。PCとしてはスペックは高くはない。ストレージ容量も少ないので、クラウドサービスを活用するのがベターだ。ソフトをインストールしなくても利用できるマイクロソフトのOffice Onlineで、WordやExcelを使用してみた。テンプレートを活用して簡単な書類を作成したり、OneDriveに保存してあったデータの修正作業などは、問題なくこなせた。ユーザーが扱うデータの重さなどによって快適度は変わってくるだろうが、一般的レベルのビジネス書類であれば実用の範囲といえる。

 ベンチマークテストを使用してデータを測定してみた。PCの総合的な評価がわかる「Geekbench」では、Single-Core Scoreが「678」、Multi-core Scoreが「1899」だった。比較のために先ほどのLenovo Thinkpad Edge E430でも計測したところ、それぞれ「2364」「3648」という数値が出た。そもそも本機はCPUがAtom Z3735Fの1.34 GHz 、ThinkPadはCore i5-3210Mの2.50 GHzと全く違うのでこの差は仕方ないところ。

 ただウェブサイトの閲覧や動画視聴といった使い方においては、ベンチマーク値ほどの違いは全く感じられなかった。今回、本機を接続した液晶テレビは42インチだったので、画面の文字も大きく、映像もくっきり見えて使いやすい。むしろノートパソコンや液晶モニターで使うよりも快適だ。ビジネスで本格的にバリバリ使うというパソコンではないが、自宅でライトに使うパソコンとしては十分アリで、さまざまな用途に活用できるだろう。

(ライター・溝口裕作)

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