かぜのたみ著『低コスト生活』(朝日新聞出版)
『低コスト生活』では、お金の不安に縛られず、自分らしく軽やかに暮らすメソッドをたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

 交通費やガソリン代がかかるのはもちろんのこと、出かけることが多いとそれだけお茶や外食をしたり、また何かしら買って、ちょこちょこ出費がかさんでいました。

 そして一番の元凶は、そうして気軽にお金を使っているときには「浪費」とは全く思っておらず、「自分が楽しむために必要な代金」と認識して、消費の機会が乱発されることです。

 この環境に身を置いていた当時の私は、しっかり「自分は贅沢していない、必要な分だけお金を使っている」と思っており、毎月のクレジットカードの請求にドキドキしながらも、お金の使い方を見直すべきだとは1ミリも思ったことはありませんでした。

 こんな数々の「知らない間にお金が減ってる!」という失敗を重ねて、私は少しずつ、住まいを選ぶ時点で改善できることがあるということを学習していきました。

お金の存在感が「薄い」環境とは?

 必要以上に便利な環境というのは諸刃(もろは)の剣(つるぎ)です。お金を使わず快適に過ごすために何が必要なのかを探っていったところ、私の場合はこんなポイントにたどり着きました。

 細かく挙げればキリがないのですが、一番重要なのは「自分が心地よく過ごせる環境」であることです。

 それまでは、「家賃が安い」「駅近」「築浅」「職場に近い」など、頭で考えた部屋の良さで決めており、「自分が心落ち着く住環境は何か」とは一度も考えたことがありませんでした。

 通勤しやすいかどうかで部屋を選ぶと自分の部屋や環境が気に入らず、知らず知らずのうちに不満を募らせていました。

 その知らぬ間に溜まった不満を解消するために、さらにお金を使うクセがついてしまい、無自覚の散財になっていた……というのが、自分なりの分析結果です。

 反対に節約志向に走りすぎて、家賃が安くても日当たりも風通りもなし、窓からの景色もなし! という閉塞的な住環境であれば、やっぱり気詰まりで、部屋で落ち着いて過ごせず、散財することでバランスを取っていたこともありました。

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自分にとって「心地よい環境」とは?