落語家・春風亭一之輔さんが連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今回のお題は「新NISA」。
安請け合いとはこのことだ。断りゃよかった。毎回お題を出され、それについていろいろ知ったかぶりしたり、あらぬ方向から攻めてみたりするこの駄文の書き散らしだが、今回のお題は「新NISA」。何が何やらサッパリわからねぇ。そもそも「NISA」がわからないのに、それの「新」とな?
今までもそんなお題を出されたことがあったが、そんな時は検索してみた。調べりゃ、あーアレのことか、とか、なんか聞いたことあるな、とか。しかし、もう今回はネットには頼らないことにした。自分でなんとかしようじゃないか。
それにしてもお題になるくらいなんだから、それなりに今流行りの言葉なのだろう。「シン、ニーサって知ってる?」と長男(18)に聞いてみた。
長男「新新座? 東武東上線にそんな駅あった?」
私「新座(にいざ)じゃなくてアルファベットでN・I・S・A」
長男「あー、新NISAか」
私「知ってんのか?」
長男「ニュースでよくやってるよ。来年からさー……」
私「あー!! もういい!! 教えてくれるな!! これじゃネットで調べるのと変わらないじゃんか!!」
長男「自分で聞いてきたんだろ……」
危なかった。また同じ失敗を犯すところだった。他人に聞いたら意味がない。自分の頭で考えねば。でもあいつ知ってるような口ぶりだったな。なんか腹が立つ。