「薗浦氏の捜査で派閥の政治資金、パーティー券の実態が明らかになったことが今回の捜査につながっている。安倍派は100人を超え、安倍元首相が長期政権で強大な力を持つようになり、パーティーの収入もかなり増えた。つまり、キックバックされて裏金化している金額も大きくなっているということ。一方で、国民からすると、賃金はあがらず、安倍政権で消費税が2度も上がった。政治家ばかりが優遇されていて、おかしいと疑問に思っている国民は多くいるはずだ」

キックバックをもらったことが2回ほど……

 前出の安倍派の衆院議員は、

「キックバックの多い議員の秘書から特捜部に呼ばれているようです。議員は、政治資金収支報告書への不記載などの容疑でやられるのでは。岸田政権として怖いのは、派閥の幹部が立件されること。大変なことになる。幹部クラスは毎晩のようにこっそり会合を開いたり、弁護士に相談したりして、深刻そうな顔をしています」

 と危機感をにじませる。そしてこう打ち明けた。

「実は私もキックバックをもらったことが2回ほどあります。特捜部が捜査している人と比べたら少ない金額です。まあ10万円とかそんなレベルですが。封筒に入れられて、派閥幹部からもらいました。私のような金額でも特捜部から呼び出しがあるかも、と先輩議員から言われて、安心して眠れません。以前、細田博之会長(当時)から『もっとたくさん買ってもらえるように頑張りなさいよ』と声をかけられました」

 派閥の前会長の安倍元首相や、その前の会長の細田氏はすでに他界している。実質的に派閥を仕切るのは事務総長だ。特捜部は2018~22年に安倍派で1億円超が裏金になったとみて調べている。その時期の事務総長には、下村博文元文部科学相のほか、松野博一官房長官、西村康稔経済産業相、高木毅国対委員長と「5人衆」が含まれる。

安倍派の例会の会場に入る下村博文・元文部科学相=12月7日、永田町の自民党本部
衆院予算委で答弁する西村康稔経済産業相=12月8日
安倍派の例会に臨む高木毅国会対策委員長=12月7日、永田町の自民党本部
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