12月1日に22歳の誕生日を迎えた愛子さま。学習院大学の4年生の今、卒業論文の執筆にはげみつつも、キャンパス生活を楽しんでいる。宮殿での一般参賀や「皇室会議」の手続きへの参加など、成年皇族としての経験も積んでいる。来春には大学を卒業し、新たな一歩を踏み出す愛子さま。22年の歳月をふりかえると、愛子さまのそばにはいつも、温かなまなざしの「父」がいた。
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「愛子の名前のとおり、人を愛し、そして人からも愛される人間に育ってほしいと思います。それには、私たちが愛情を込めて育ててあげることが大切です」
2005年2月、皇太子だった天皇陛下は自身の誕生日会見でそう述べると、米国の学者ドロシー・ロー・ノルトの「こども」という詩を、ゆっくりと読み上げた。
批判ばかりされた 子どもは
非難することを おぼえる
殴られて大きくなった 子どもは
力にたよることを おぼえる
(中略)
しかし、激励をうけた 子どもは
自信を おぼえる
寛容にであった 子どもは
忍耐を おぼえる
(中略)
可愛がられ 抱きしめられた 子どもは
世界中の愛情を 感じとることを おぼえる
愛子さまの子育てに、雅子さまとまっすぐに向き合おうとする陛下の思いが伝わってくる。
愛子さまのお風呂と離乳食も経験した陛下
東宮家は、公より私を優先している――そう言われることがあっても、家族との時間を大切にしてきた陛下。
「子供をお風呂に入れたり、散歩に連れて行ったり、離乳食をあげることなどを通じて子供との一体感を強く感じます」
2003年2月、43歳の誕生日会見で、皇太子さまは父親の育児への参加が母親の負担を軽くし、子供との触れ合いを深めると述べた。
元宮内庁職員は、
「保守的な皇室で、ましてや皇太子がそう口にすることに、『東宮家は公務よりも家庭が優先』と反発もあった」
と振り返る。今から約20年前。父親の積極的な育児参加が周囲に十分に理解され、許容される時代ではなかった。