「D.U.N.K.」では事務所も先輩後輩も関係なく、みんなが伸び伸びと楽しくダンスができる環境を目指す[撮影/蜷川実花、hair & make up paku☆chan styling 安本侑史、 costume TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.]

 ラッパー、プロデューサー、経営者と多彩な肩書を持つSKY-HIさん。納得できないシステムと闘い続けてきた日々を経て「今が一番幸せ」と話す。AERA 2023年12月4日号より。

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――今年3月に開催された、ダンス&ボーカルグループが集結する祭典「D.U.N.K.」を語る中で、何度も「楽しそうであることが大事」だと口にした。

SKY-HI:僕がダンスを始めた10代の頃は、仲の良い人同士や上手い人同士で固まっていて、初心者が輪の中に入りづらい雰囲気がありました。そして、事務所が違う人や同じ事務所の先輩と絡む際にすごく緊張した記憶があります。10代、20代の頃の僕は、今のBMSGのアーティストのように、ダンスレッスン、ボイトレ、英語レッスン、敬語講座、マナー講座といったものを簡単にできるような環境にいませんでした。自費でLAにダンスレッスンを受けに行ったことがあるくらいダンスは好きですが、環境の問題もあって満足にダンスができたわけではなかった。だから今でも「ダンスにもっとコミットしていたらどんな未来があったんだろう?」と思うことがあります。そういった数々の後悔がプロデューサーとしての自分を育んでいて、すべてはお導きだと思っていますけどね。

 初回の「D.U.N.K.」では、すごく楽しい雰囲気の中、事務所も先輩後輩も関係なくサイファー(一人ずつ即興でダンスを披露すること)ができたのがすごく良かった。9月のBMSG FES’23の「D.U.N.K.」でのサイファーも最高でした。SOTAやMAZZELのRANやRYUKIのようにダンスバトルで優勝経験のある人が踊る中で、「THE FIRST」からダンスを始めたJUNON(BE:FIRST)や高校1年生のRUIも自然に入っていった。「D.U.N.K.」で一番やりたかったのはああいうムードを作ること。今回の「D.U.N.K.」も楽しくなるといいなと思っています。それを見てダンスを始める人がいたり、「ダンス&ボーカルって自分のスタイルのままできるんだ」と思ってくれる人がいたら嬉しい。しかもダンスは言語の壁が存在しないノンバーバルコミュニケーション。ダンス自体がグローバルであるといえます。

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