週刊朝日 2023年4月7日号より
週刊朝日 2023年4月7日号より

「新陳代謝がなくなったことで、さらに脱力した平和な番組になっていきましたよね。そうして脱力したタモリさんを支えるように、安齋肇さんや渡辺祐さん、山田五郎さんを筆頭とするサブカルの人がメジャーな場に出るお試しの場になっていた番組でした」

 やがてサブカル有名人も高齢化して、そもそもサブカルというジャンルも消滅したような状態に。

「ドン荒川さんという“前座の力道山”の異名を持つプロレスラーの物語を、まるまる30分やるとか、昔はありえない企画をいっぱいやってたんですよ。ところが今は発掘するべきサブカル有名人もいなくなり、上坂すみれさんとか星野源さんとか若い世代もいたけれど、攻めたキャスティングはやりにくくなった気がします」

 で、このロス、どう乗り切ったらいいですか?

「地上波でサブカルに浸かれる最後の番組かもしれません。でも今は配信イベントなど、居ながらにしてサブカルを楽しめる場所はいくらでもある。課金すれば、楽しいものにちゃんとたどり着けると思いますよ。僕も誰よりも配信イベントに課金して、原稿書きながら楽しんでます」

「タモリ倶楽部」に代わって、自身の目で新しいサブカルスターを探す。これが「タモリ倶楽部」ロスを癒やす秘訣かも。(福光恵)

週刊朝日  2023年4月7日号より抜粋