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日本は長寿大国として知られ、特に女性の平均寿命は世界1位をキープしている。しかし、研究者によると「これほど女性の地位が低い国が長寿であることは世界の研究結果とは合わない」という。なぜ、日本人女性は長生きなのか。そして、寿命に男女差が生じる理由とは。

【図表】ジェンダーギャップ指数の順位が日本と近い国々はこちら 平均寿命も

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 WHO(世界保健機関)が発表した2023年版の世界保健統計によると、日本人の平均寿命は世界トップの84.3歳。男女別にみると、男性の平均寿命は世界第2位の81.5歳、女性は世界第1位の86.9歳だった。

 女性が男性と比べて長生きであることは、特に裕福な国にとっては世界的な傾向だ。その理由として、ホルモンの影響をはじめとする生物学的な性差が指摘されることが多い。しかし、「それだけでは全てを説明できない」と大阪医科薬科大学の本庄かおり教授は語る。

 なぜなら貧困国では男女の平均寿命が近づくことがわかっているからだ。出生率が高い一方、医療へのアクセスが不十分であることから妊産婦死亡率が高い。「男女の格差が大きいことから限られた資源は男性優位に振り分けられ、女性は多くの健康リスクにさらされる」と本庄教授は語る。

大阪医科薬科大学の本庄かおり教授

 職業や所得、教育、政策、文化などの社会的・経済的な要因は、人々の健康に深く関連すると言われる。WHOによれば、社会的地位・経済的水準の低い人ほど寿命が短く、病気の罹患率や死亡率が高い傾向にある。資産が少なく貧しい住環境に暮らし、教育程度の低さから不安定な仕事に就労せざるを得ないなど、社会的・経済的ストレスが多い状況下の生活が影響すると考えられる。

「社会と健康に関する数々の研究結果をもとに考えれば、社会的地位が決して高いとは言えない日本人女性が世界で最も長寿であることに矛盾があります。海外の研究者から見てもこの点は疑問で、いまだ解き明かされてはいません」(本庄教授)

 男女格差を示す指標である日本のジェンダーギャップ指数(2023年)は、146カ国中125位。過去最低の結果であり、先進国では最下位だ。また、日本の男女間賃金差は世界各国に比べて大きい。背景には、「男は働き、女は家庭」という根強い性別役割分業意識があることが指摘されている。

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日本のジェンダーギャップ指数の順位に近い国々は