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 スマートフォンの普及率の高まりにより、電車の中やちょっとした待ち時間にゲームする人は非常に多い。そこで、問題になっているのが、課金によるトラブルだ。

 国民生活センターによると、オンラインゲームに関する相談は2009年度以降年々増加し、2014年度は4782件と5年前の約3倍に増えている。なかでも、未成年者によるトラブルが大幅に増大しているという。

 スマートフォンやタブレット、パソコンなどからインターネットへ接続して遊ぶ、オンラインゲームは、ゲームアプリ自体は基本無料だが、アイテムを購入する必要があり、ゲームを続けるために課金させるものが多い。国民生活センターに寄せられる相談内容の多くは、子どもが勝手に親のクレジットカードを使い、高額請求がきて発覚するケースだという。そのうちの約半数が10万円以上と、“高い勉強代”として簡単に割り切れる額ではない。

 では、オンラインゲームを安全に楽しみ、子どもの課金トラブルを防ぐためにはどうしたらいいのか? その予防法をおさえておきたい。

■オンラインゲームの特徴を理解させる

 無料アプリであってもゲームすべてが「無料」なわけではない。前述したとおり、続けると課金が必要だったり、有料のアイテムを購入しなければならない場合がある。ところが、子どもが「本当のお金」が必要だと認識しないまま利用していた例もあるため、遊ぶ前に理解させておくことが重要だ。また、友だちと同じゲームを行っていると、友だちより先に進めたい、よりよいアイテムを手に入れたい、と競争心が生まれやすいということも伝えておきたい。

■クレジットカード決済の危険性を理解する

 子どもにとってクレジットカードは、お金を使っている感覚を得にくいものだ。番号を入力すればアイテムが手に入る魔法のカードではなく、後払いの料金が発生していること、カードの名義人以外は使えないものであることを教えたい。クレジットカードは、子どもが使った場合でも管理責任が問われるため、子どもに理解させると同時に親もオンラインゲームの決済の仕組みについて十分に理解しておく必要がある。1度パスワード認証をすると、その後しばらくは決済ができてしまい、高額請求となった例もあるという。限度額まで使えてしまうため、注意して利用させたいところだ。

■家庭のルールを決める

 課金サービスを利用するなら、「お小遣いの範囲で」などと子どもの自制心に任せるだけでは不十分である。思いがけずお金を使いすぎてしまわないように、話し合って上限を決めておくことが大切だ。ほかにも、課金サービスを利用する場合にはひと声かける、オンラインゲームで遊ぶのは親と一緒のときだけなど、家庭でルールを決めておくといいだろう。ルールを守らせるためには、子どもが納得したうえで約束させることが重要だ。

 子どもの課金トラブルは、高額請求がきて発覚することが多く、そこからでは解決が難しい。トラブルに巻き込まれないためにも、親子でオンラインゲームの仕組みを理解するとともに、親はカードやカード情報の管理の徹底と、子どもの利用状況を把握しておくことが重要だといえる。

(ライター・木村亜紀子)