(c)2023 Kyrie Film Band

 今回、僕には“現代のオールスターズ”とともに映画を作ることができた、という気持ちが強くあります。出演してくれた黒木華さん、広瀬すずさん含め、みんながカメラの前で見せる表現の可能性が無限すぎて、当初は小さな話のはずだったけれど、どんどん大きな話になって。それは、みんなの才能がなければできなかったこと。「これくらいが限界か」と思ったら、そこで終わってしまうから。でも、みんなは「まだあるんじゃないか」と思わせてくれた。そんな気持ちでセッションできたのは幸せでしたし、「彼らの物語は終わっていない」という思いもあります。監督冥利(みょうり)に尽きるというか、本当に素晴らしい出会いができたなと。まだまだ二人と一緒に映画をつくりたいしね。

(c)2023 Kyrie Film Band

アイナ:そう言っていただけることは、人生における希望そのものです。

(c)2023 Kyrie Film Band

松村:そう言っていただいたときはあまりにもうれしくて、親に電話したんです。「聞いて! 岩井さんがまた一緒にやりたいって」って。クランクアップの日に自動販売機で飲み物を買って下さり、「すぐにでも一緒に撮りたい」と言ってくださったんですよね。

(c)2023 Kyrie Film Band

岩井:そうだ、そのタイミングだったね。

松村:親に電話して自慢するって、数年に一度あるかないか。本音を言えば、明日にでもまた撮影に参加したい気持ちです。

(ライター・古谷ゆう子)

AERA 2023年10月16日号より抜粋

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