「新NISAで、100点満点ではなく『70点の合格点を取りに行こう』という感覚で全世界株式、という選び方はアリです」(ニッセイ基礎研究所主任研究員の前山裕亮さん)撮影/小山幸佑
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「S&P500派」と「全世界株式派」の論争をよく見かける。今後は誰にもわからないため過去の数字で検証しよう。アエラ増刊「AERA Money 2023秋冬号」より。

【試算結果はこちら】S&P500vs全世界株式、毎月1万円積立で20年後にいくら?

 新NISAでは、基本的に右肩上がりの成長が続く(はずの)「米国株に丸ごと投資」や「世界中の株に丸ごと投資」するインデックス型投資信託(以下、投信)をコツコツ買っていくことを本誌は推す。

「米国株価指数S&P500の1993年から2022年まで(30年)の年間平均リターン(配当込み、円建て)は約12%です。全世界株式は、同じ30年で試算すると約10%でした」

 と語るのは、ニッセイ基礎研究所金融研究部主任研究員の前山裕亮さん。リターンが良好だからこそ、つみたてNISAや一般NISAでも(おそらく新NISAでも)、米国株式や全世界株式の投信が人気ともいえる。

株価指数と同じ値動き

 インデックス型投信は、株価指数とほぼ同じ値動きをする。たとえば日経225のインデックス型投信を買うと、日経平均株価を構成する225銘柄を全部買ったのと同じ値動きになる。

 本当に225銘柄を全部買うには大金が必要だが、投信はネット証券なら100円から買える。1万円分買おうが3万円分買おうが、225銘柄入り。おまとめパックのようなものだ。

 米国株式では、米国の優良企業500社が対象の「S&P500」や、米国の上場企業ほぼすべて(約4000社)が対象の全米株式指数「CRSPUSトータル・マーケット・インデックス」が有名。

 全世界株式なら世界中の主要企業約3000社の株価を指数化した「MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)」がド定番だ。

ほぼ米国株式が圧勝

 どの指数に連動するものがベストか。ネットでは「米国のS&P500しか勝たん」「米国がこの先も好調とは限らない。どこの国が勝ってもいいように全世界株式」などの論争がしばしば起こる。

 そこでニッセイ基礎研究所の前山さんに、毎月1万円ずつ米国株式(S&P500)、全世界株式(MSCI ACWI)、日本株式(TOPIX)につみたて投資をした場合、20年後にいくらになっていたかを検証してもらった。

 直近の20年間だけでは心もとないので、1973年スタートから20年間、1974年スタートから20年間……という形で31パターン。それぞれの開始から20年後は元本240万円(毎月1万円×20年)がいくらになっていたか?

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1万円×20年積立で圧勝したのは?