「井端さんはコミュニケーションの取り方が上手いんですよ。U-12の代表監督の時は個々の選手の性格を考えながら時には冗談を交えながらハッパをかけて、雰囲気が緩んでいるとビシッと締めていた。現役時代はつなぎ役で小技に長けたイメージが強かったですが、指導者として目指す野球はスモールベースボールではないですね。国際試合を勝ち抜く上で長打の重要性を感じているので、パワーとスピードを兼ね備えたスケールの大きいチームを志向すると思います」(テレビ関係者)

 初陣は11月に東京ドームで開催される「第2回アジアプロ野球チャンピオンシップ」。26年の第6回WBCで指揮を振るうかは現段階で未定だが、24年11月のプレミア12で頂点に輝けば、次回のWBCも井端氏に託すのが自然な流れだろう。

 井端氏と現役時代にチームメートだった球界OBは、今回の侍ジャパンの監督人事を高く評価する。

 「イバは肝が据わっているんですよ。大舞台でも常に冷静で最適な判断を下せる。プロだけでなくアマチュア野球の試合を熱心に見てきたし、選手たちの特徴を把握している。侍ジャパンの人選はその時の選手の状態を見極めながら、情に流されることなくドライな判断も求められる。イバは勝利に徹したメンバー選びができるし、責任感の強い人間で軸がブレない。選手もやりやすいと思います」

 侍ジャパンの監督が「名将」に駆け上がる階段の第一歩になるか。大きな期待が膨らむ中で、複雑な表情を浮かべるのが、井端氏を中日時代に取材したスポーツ紙の番記者だ。落合博満前監督の下で黄金時代を築いた時代は過去の栄光となり、13年以降の10年間でCSに進出したのは3位に入った20年のみ。万年Bクラスと低迷期に入り、立浪和義監督が就任した昨季も最下位に低迷。今季もヤクルトと最下位争いと上昇気流に乗れない。

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「井端ドラゴンズ」で1日も早く立て直してもらいたい