「立浪監督は3年契約最終年となる来季の続投が決まりましたが、ファンから反発の声が大きい。来年も結果を残さなければ退任の可能性が高い。そこで次期監督の有力候補と目されていたのが井端さんでした。星野仙一さん、落合さん、巨人では原辰徳監督と名将の下でプレーして『勝つ野球』を熟知している。守り勝つ野球を志向する上で、一番ふさわしい監督だと思いますが、侍ジャパンの監督として好結果を残し続ければ26年のWBCまで指揮を振るうことになる。喜ばしいことですが、個人的には『井端ドラゴンズ』で1日も早くチームを立て直してもらいたい思いもあります」
厳しい戦いが続いている中日だが、チームは新たな力が芽吹いている。立浪監督が就任した昨年に外野のレギュラーをつかんだ岡林勇希は攻守でチームを引っ張り、2年連続最多安打争いを目指して中野拓夢(阪神)、牧秀悟(DeNA)と熾烈な争いを繰り広げている。現役ドラフトでDeNAから加入した細川成也も自己最多の24本塁打と素質が開花。石川昂也、福永裕基、村松開人も経験値を積んで力をつけている。投手陣では今年3月に開催されたWBCに侍ジャパンで選出された高橋宏斗、セットアッパーで頭角を現した清水達也、松山晋也と成長著しい若手が多い。
スポーツ紙デスクは、「低迷期が続いているが、確実にチームが変わろうとしつつある。ただ、現状のままでは厳しい。来年もBクラスに低迷すれば監督交代の流れになる。球界全体で監督の若返りが目立つ中、中日はどうするか。山本昌、岩瀬仁紀、福留孝介と現役時代に実績十分のレジェンドがいるが、NPBで指導経験がない。立浪監督もNPBで指導歴がなく監督に抜擢したが結果を残せていないことを考えると、抜擢しづらい部分がある。内部昇格で和田一浩1軍打撃コーチ、荒木雅博1軍内野守備走塁コーチあたりが有力候補になってくるが、中日OBに捉われずに外部招聘も考える必要が出てくる」と分析する。
数年先になるかもしれないが、井端氏が中日の監督に就任したらどのようなチームを築くか。侍ジャパンでの選手選考、チーム構想が大きなヒントになるかもしれない。
(今川秀悟)