「東北サファリパーク」(福島県二本松市)で男性飼育員がメスのライオンに襲われ死亡する事故が9月28日に起きた。報道によると、何らかの理由でライオンと飼育員を仕切る鉄格子の扉が開いており、襲われたと見られている。監視役として別の作業員もいたが、襲われて悲鳴が上がるまで気づかなかったという。安全管理はどうなっているのか。事故を起こしたライオンはどうなるのか。
* * *
飼育中の動物による事故はサファリパークなどで散発的に起きている。2016年には「群馬サファリパーク」で、女性従業員が車で巡回中、ツキノワグマに襲われて死亡した。車の窓についている防護用のパイプが外れ、襲われたとされる。
12年には富士サファリパーク(静岡県)で、男性飼育員がアジアゾウに襲われて亡くなった。出産直後の母ゾウが子どものゾウに危害を加えようとしていたため、助けるために檻に入ったところ襲われたとされる。
一般的にサファリパークなどでの安全管理はどのように行われているのか。
動物研究家のパンク町田さんは「ライオンなどの猛獣は『間接飼育』と言われる方法で飼育されている」と指摘する。
間接飼育とは、人と動物が一緒の空間に入らないようにして飼育する方法だ。人と動物のあいだが鉄格子などで区切られ、動物から危害が加えられないようになっている。パンク町田さんはこう説明する。
「間接飼育であれば、動物が人を襲おうとしても防げるようになっているため安全です。今回のような事故が起きるとしたら、不注意など人為的なミスや、自動で閉まるはずの扉がしまらなかったなどの機械的な不具合が原因として考えられます」