イン・シンク、激辛チキンを食べながら新曲の制作意図や全盛期の思い出を語る
この記事の写真をすべて見る

 その昔、イン・シンクのプロモーション・ツアーといえば、MTVの『TRL』を訪れて軽く質問攻めにあったり、ラジオ局や地上波のモーニング・ショーに立ち寄ってパフォーマンスとおしゃべりを楽しんだりしたものだ。2023年になった現在、ジャスティン・ティンバーレイク、クリス・カークパトリック、JC・シャゼイ、ランス・バス、ジョーイ・ファトーンの5人は、YouTubeの人気シリーズ『Hot Ones』に出演し、段階的に辛さが増すホット・ソースに耐えながら質問に答えるという苦行に挑んだ。

 60本の手羽先とホット・ソースの瓶が目の前に並べられたスタジオで、彼らは冷静さを保ちながら司会のショーン・エヴァンスからの簡単な質問に答えようとした。ジャスティンとジョーイは痛む口を癒す牛乳も水もない状態で挑戦したが、番組後半にはその判断を後悔していたようだ。

 例えば、2023年と25年前の曲のアプローチの違いについて質問されると、ジャスティンは『Trolls Band Together』3部作の再結成曲「Better Place」のプランについて、「両方を捉えようとした」と答え、「これほど長い間僕らと一緒にいてくれるファンのために、必ずしも懐かしくはないけれど、親しみを感じるものを提供することだった」と説明している。

 また、ボーイズ・グループのボーカルの音域やバランスについての質問に対しては、クリスがワン・ダイレクションを例に、”5人の素晴らしいシンガーと素晴らしいソリスト”が揃っていると、それぞれが自分のポジションを争わなければならないが、イン・シンクに関しては、「自分たちが特定のものを歌うのが下手だとわかっていた」と分析し(ジョーイが「勝手に言ってろ!」と苦笑いしていた)、「だからそれぞれが特定のポジションに落ち着いてそこから逸脱しなかった。(中略)5人の素晴らしいボーカリスト(が集められたの)ではなく、サウンドからスタートしていたからだいぶ楽だった」と付け加えると、メンバーの深い絆をほのめかすような家族的で気楽な笑いに包まれた。

 激辛レベルが上がり始め、5人が手羽先を持て余すようになる頃、ジョーイがステージに飛び出すはずの通称“トースター”と呼ばれる装置で足を潰されかけたことなど、当時の技術的な困難について振り返りながらメンバーたちは大笑いしていた。

 さらには、ラジオで初めて自分たちの曲を聴いた時のこと、ジャスティンのホテルの部屋に女性ファンが数人侵入してクローゼットに隠れていたこと、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』でメンバー3人がジェダイの戦士としてキャスティングされたが後に出演シーンをカットされてしまったことなどを冷静に思い出していた。映画に声が掛からなかったジャスティンとランスは”すごく傷ついた”とコメントした。

 ジャスティンはまた、マックス・マーティンを含むスウェーデンのプロデューサーたちに、「It's Gonna Be Me」で “me"を“may”のように発音するよう要求されたことを認め、半信半疑だったものの実際にやってみるとその方がより良く聞こえ、何十年後のミームの種にもなったと語っている。

 激辛度が最高レベルに達する頃には、“割と平気”と涼しい表情で辛さに耐性を見せるJC以外のメンバーたちが”Fボム”を連発し始め、過去の衣装の写真を見ながら意見を出し合いつつも、辛さに耐えかねたジャスティンは、「なんでこんなことやらせるの?」と叫んでいた。ちなみに、過去の出演者で“Fワード”を最も発したのは有名シェフのゴードン・ラムゼイで、130回以上の最高記録を保持しているそうだが、イン・シンクのメンバーたちもその記録を越えるべくベストを尽くしていた。そして飲み物に手を出さなかったジャスティンとジョーイが汗だくになっている横で、ランスが自身が思うバンドのTOP5曲を楽々とリストアップしていた。