ガーシー被告のSNSは大人気となった一方で、ターゲットになった俳優の綾野剛さんら被害者にとっては死活問題だった。警視庁に刑事告訴したジュエリーデザイナーには、
「こいつは奥さんも子どももいます。よく知ってるねん、俺。お前がこんなこと告訴したら、嫁と子どもが余計、生きづらくなんで」
などと配信しており、告訴の取り下げを要求するなどしていた。
「ファンが離れ、精神が崩壊する」
初公判では、綾野剛さんらの供述調書の一部も朗読された。
「CMスポンサーを打ち切られたり、冷たい目で見られたりしてたくさんのファンが離れ、精神が崩壊する。東谷被告は恐怖だった。信頼する気持ちや自己肯定感をズタズタにされ、悩み苦しみ刑事告訴を決めた。二度とこのようなことをしないでほしい。厳しい判決を望む」
ジュエリーデザイナーの供述調書には、
「被告の動画、ジュエリーブランドの経営に影響し事業終了した」
「東京都内の店舗を契約していたが、被告の動画配信で事業が進まず、途中解約するにもできず、1億円以上の損失」
と記されていたという。
一方で、ガーシー被告は「暴露話」で一躍、知られる存在となり、2022年7月の参院選でNHK党(当時)から比例区で立候補し、28万票あまりを獲得して当選。だが、逮捕を恐れて帰国せず、参院議員は除名処分となり、強制送還のような形でドバイを後にして、逮捕された。
「ガーシー被告は逮捕された警視庁の取り調べにはほとんど応じず、言い合いのケンカになったこともありましたが、検察に対しては記憶している範囲を話して供述調書を作りました。罪になるとは思っていなかったけど、検察が法に照らして罪だとするなら従うとガーシー被告は決めていました。ただ、初公判で認めるかどうかはかなり悩んでいましたね」
とガーシー被告に近い関係者は語る。